皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

生後1年以内の家族構成の変化は乾癬リスクを高める

 生後1年以内に親の離婚や家族との別居などの家族構成の変化を経験した子どもは、将来、乾癬を発症するリスクが高まる傾向にあることが、新たな研究で示された。乾癬は自己免疫疾患の一種で、皮膚の角化細胞のターンオーバーが異常に早くなることでかゆみを伴う鱗状の発疹が生じる。家庭内の混乱によって生じる強いストレスが乾癬発症の一因と考えられるという。リンショーピング大学(スウェーデン)のJohnny Ludvigsson氏とDebojyoti Das氏によるこの研究の詳細は、「Journal of Investigative Dermatology」に9月2日掲載された。

小児のアトピー性皮膚炎、特発性慢性蕁麻疹の在宅治療に期待(デュピルマブ皮下注200mgペン発売)/サノフィ

 サノフィは、小児のアトピー性皮膚炎および特発性の慢性蕁麻疹の治療薬デュピルマブ(商品名:デュピクセント)の皮下注200mgペンを11月17日に発売した。  デュピルマブは、2型炎症において中心的な役割を果たすタンパク質であるIL-4およびIL-13の作用を阻害する、完全ヒト型モノクローナル抗体製剤。気管支喘息などのすでに承認された適応症に加え、原因不明の慢性そう痒症、慢性単純性苔癬などの開発も行っている。わが国では2025年2月に小児の気管支喘息、2025年4月に水疱性類天疱瘡に対して適応追加申請を行っている。  また、今回発売された「200mgペン」は、「デュピルマブ製剤」として在宅自己注射指導管理料の対象薬剤として指定されている。「あてる、押す」の2ステップによる簡便な操作で、200mgシリンジ製剤と同一組成の薬液を自動的に注入するペン型の注射剤。同社では、小児患者の在宅自己注射時の利便性向上が期待でき、新たな治療選択肢になると期待を寄せている。

帯状疱疹ワクチンは心臓病、認知症、死亡リスクの低減にも有効

 帯状疱疹ワクチンは中年や高齢者を厄介な発疹から守るだけではないようだ。新たな研究で、このワクチンは心臓病、認知症、死亡のリスクも低下させる可能性が示された。米ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部の内科医であるAli Dehghani氏らによるこの研究結果は、米国感染症学会年次総会(IDWeek 2025、10月19〜22日、米アトランタ)で発表された。  米疾病対策センター(CDC)によると、米国では3人に1人が帯状疱疹に罹患することから、現在、50歳以上の成人には帯状疱疹ワクチンの2回接種が推奨されている。帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)の既往歴がある人に発症するが、CDCは、ワクチン接種に当たり水痘罹患歴を確認する必要はないとしている。1980年以前に生まれた米国人の99%以上は水痘・帯状疱疹ウイルスに感染しているからだ。

がん治療のICI、コロナワクチン接種でOS改善か/ESMO2025

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、多くのがん患者の生存期間を延長するが、抗腫瘍免疫応答が抑制されている患者への効果は限定的である。現在、個別化mRNAがんワクチンが開発されており、ICIへの感受性を高めることが知られているが、製造のコストや時間の課題がある。そのようななか、非腫瘍関連抗原をコードするmRNAワクチンも抗腫瘍免疫を誘導するという発見が報告されている。そこで、Adam J. Grippin氏(米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)らの研究グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンもICIへの感受性を高めるという仮説を立て、後ろ向き研究を実施した。

帯状疱疹後神経痛、発症しやすい人の特徴

 帯状疱疹を発症すると、帯状疱疹の皮疹や水疱消失後に帯状疱疹後神経痛(post herpetic neuralgia:PHN)と呼ばれる合併症を伴う場合があり、3ヵ月後で7~25%、6ヵ月後で5~13%の人が発症しているという報告もある。今回、中国・Henan Provincial People's HospitalのJing Wang氏らは、PHNの独立した危険因子となる患者背景を明らかにした。Frontiers in Immunology誌2025年10月1日号掲載の報告。

蕁麻疹に外用薬は非推奨、再確認したい治療の3ステップ

 かゆみを伴う赤みを帯びた膨らみ(膨疹)が一時的に現れて、しばらくすると跡形もなく消える蕁麻疹は、診察時には消えていることも多く、医師は症状を直接みて対応することが難しい。そのため、医師と患者の間には認識ギャップが生まれやすく、適切な診断・治療が選択されない要因となっている。サノフィは9月25日、慢性特発性蕁麻疹についてメディアセミナーを開催し、福永 淳氏(大阪医科薬科大学皮膚科学/アレルギーセンター)がその診療課題と治療進展について講演した。  なお、蕁麻疹の診療ガイドラインは現在改訂作業が進められており、次改訂版では病型分類における慢性(あるいは急性)蕁麻疹について、原因が特定できないという意味を表す“特発性”という言葉を加え、“慢性(急性)特発性蕁麻疹”に名称変更が予定されている。

中等症~重症の尋常性乾癬、経口IL-23受容体阻害薬icotrokinraが有望/Lancet

 中等症~重症の尋常性乾癬患者において、icotrokinraはプラセボおよびデュークラバシチニブと比較し優れた臨床効果を示し、有害事象の発現割合はプラセボと同等であった。米国・Henry Ford Health SystemのLinda Stein Gold氏らが、第III相無作為化二重盲検プラセボ・実薬対照試験ICONIC-ADVANCE 1試験(13ヵ国149施設)、およびICONIC-ADVANCE 2試験(11ヵ国114施設)の結果を報告した。インターロイキン(IL)-23やIL-12を標的とするモノクローナル抗体は尋常性乾癬の治療に有効であるが、静脈内または皮下投与が必要である。icotrokinraは、IL-23受容体に選択的に結合する初の経口ペプチド薬で、中等症~重症の尋常性乾癬患者を対象とした第II相試験においてプラセボより皮膚症状の改善率が有意に高いことが示されていた。著者は、「結果は、1日1回経口投与のicotrokinraが高い有効性と良好な安全性プロファイルを有する治療薬であることを示すものである」とまとめている。Lancet誌2025年9月27日号掲載の報告。

男性の身長の高さとがんリスク、関連がみられたがん種は

 600万人以上を対象とし、性別・身長とがんの関連を検討したこれまでで最大規模の研究において、39種中27のがん種において身長の高さががんリスク増加と統計学的有意に関連し、男性では悪性黒色腫、急性骨髄性白血病、唾液腺がん、結腸がんでとくに身長の高さによる過剰がんリスクが高かった。スウェーデン・カロリンスカ研究所のCecilia Radkiewicz氏らによる、International Journal of Cancer誌オンライン版2025年8月26日号への報告より。

帯状疱疹ワクチンは心血管イベントリスクを低下させる?

 帯状疱疹ワクチンは、痛みを伴う皮膚感染症を予防するだけでなく、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントのリスクも低下させる可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。帯状疱疹ワクチンのシングリックスを製造販売するグラクソ・スミスクライン(GSK)社のワクチン担当グローバル・メディカル・アフェアーズ・アソシエイト・メディカル・ディレクターのCharles Williams氏らによるこの研究結果は、欧州心臓病学会年次総会(ESC Congress 2025、8月29日~9月1日、スペイン・マドリード)で発表された。

医療費適正効果額は1千億円以上、あらためて確認したいバイオシミラーの有効性・安全性

 日本国内で承認されているバイオシミラーは19成分となり、医療費適正化の観点から活用が期待されるが、患者調査における認知度は依然として低く、医療者においても品質に対する理解が十分に定着していない。2025年8月29日、日本バイオシミラー協議会主催のメディアセミナーが開催され、原 文堅氏(愛知県がんセンター乳腺科部)、桜井 なおみ氏(一般社団法人CSRプロジェクト)が、専門医・患者それぞれの立場からみたバイオシミラーの役割について講演した。  化学合成医薬品の後発品であるジェネリック医薬品で有効成分の「同一性」の証明が求められるのに対し、分子構造が複雑なバイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーでは同一性を示すことが困難なために、「同等性/同質性」を示すことが求められる。