悪性黒色腫、個人情報を共有せずにAI診断は可能か?
悪性黒色腫の人工知能(AI)診断モデルの開発には通常、大規模かつ集中化されたデータセットが必要であり、各施設による患者データの提供が求められ、これによりプライバシーに関する重大な懸念が生じている。そこで、ドイツがん研究センター(DKFZ)のSarah Haggenmuller氏らは、こうした懸念の払拭が可能とされる新たな機械学習の連合学習(federated learning)アプローチを取り入れた検討を行った。その結果、分散化された状態でのデータセット上で、浸潤性悪性黒色腫と母斑の分類が可能であることが示唆された。結果を踏まえて著者は、「連合学習は、悪性黒色腫のAI診断におけるプライバシー保護を改善すると同時に、機関や国をまたいだコラボレーションの促進が可能である。さらに、デジタルパソロジーやその他の画像分類タスクにも拡張できるだろう」と述べている。JAMA Dermatology誌2024年3月号掲載の報告。