糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:161

甲状腺がん新薬、無増悪生存期間を大幅延長/NEJM

 ヨウ素131治療抵抗性の進行性甲状腺がんに対し、レンバチニブ(国内承認申請中)は、無増悪生存期間を大幅に延長し、増悪・死亡リスクを約8割低減することが示された。フランス・ギュスターヴ・ルシィ研究所のMartin Schlumberger氏らが第III相無作為化二重盲検多施設試験の結果、報告した。レンバチニブは、血管内皮増殖因子受容体1、2、3、線維芽細胞増殖因子受容体1~4、血小板由来増殖因子受容体α、RET、KITの経口阻害薬で、ヨウ素131治療抵抗性の分化型甲状腺がん患者を対象とした第II相試験で臨床活性を示したことが報告されていた。NEJM誌2015年2月12日号掲載の報告より。

2型糖尿病に降圧治療は有効か/JAMA

 2型糖尿病患者に対する降圧治療は、全死因死亡や心血管疾患のほか、脳卒中、網膜症、アルブミン尿などのリスクを改善することが、英国・オックスフォード大学のConnor A. Emdin氏らの検討で示された。糖尿病患者は平均血圧が高く、血圧の上昇は糖尿病患者における大血管障害および細小血管障害のリスク因子として確立されている。一方、糖尿病患者への降圧治療の是非や目標血圧値については、現在もさまざまな議論が続いている。JAMA誌2015年2月10日号掲載の報告。

SGLT2阻害薬のさらなる安全使用に必要なこと

 2月9日、「糖尿病薬物治療の現状と課題」と題し、生命科学フォーラム主催のセミナーが加来 浩平氏(川崎医科大学 内科学 特任教授)を講師に迎え、東京都内で開催された。  はじめにわが国の糖尿病における患者数の推移や発症機序の説明が行われた。  最近の調査では、メタボ健診などによる予防策が功を奏し、糖尿病予備軍は減少した。しかし、患者数は増加し、若年化、肥満化傾向を示し、それは運動不足や日常生活での活動量不足が原因と考えられる。また、30~40代の働き盛りの患者の増加と受診回避が問題となっており、早期の治療介入をいかに行うべきかが今後の課題であると述べた。

甲状腺がん治療薬レンバチニブをFDAが承認

 エーザイ株式会社は16日、米国子会社であるエーザイ・インクが、自社創製の新規抗がん剤「Lenvima」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について、局所再発又は転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんに係る適応で、米国食品医薬品局( FDA)より承認を取得したことをお知らせします。同剤は優先審査品目に指定されていたが、優先審査終了目標日より約 2ヵ月早い迅速な承認となったという。なお、今回の米国での承認が同剤に関する世界で初めての承認となる。

グリベンクラミド、妊娠糖尿病には注意/BMJ

 妊娠糖尿病の短期的治療について、グリベンクラミド(商品名:オイグルコン、ダオニールほか)はインスリンおよびメトホルミン両剤よりも明らかに劣性であり、一方、メトホルミン(+必要に応じてインスリン)がインスリンよりもわずかだが良好であることが示された。スペイン・Mutua de Terrassa大学病院のMontserrat Balsells氏らが、システマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「グリベンクラミドは、メトホルミンやインスリンが使用できるのなら妊娠糖尿病治療には用いるべきでない」と提言している。BMJ誌オンライン版2015年1月21日号掲載の報告より。

肥満外科手術、中高年男性の長期生存を延長/JAMA

 重症肥満患者で胃バイパス術などの肥満外科手術を受けた人は受けなかった人と比べて、長期死亡率が有意に低いことが報告された。米国・ダーラム退役軍人医療センターのDavid E. Arterburn氏らが、肥満外科手術を受けた患者2,500例について行った後ろ向き多地域適合対照コホート試験の結果、1年時点では死亡率に有意差は示されなかったが、5年、10年時点の全死因死亡率は、肥満外科手術群が有意に低かったことが判明した。これまでの検討で肥満外科手術が重症肥満患者の生存を改善するというエビデンスは蓄積されてきたが、中高年(veteran)における有益性のエビデンスは示されていなかったという。著者は、「今回の結果は若い世代、それも女性が大半を占める集団で示された肥満外科手術の有益性を、さらに後押しするものとなった」とまとめている。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告より。