カナグリフロジンの下肢切断リスク、65歳以上CVD患者で増大/BMJ
SGLT2阻害薬カナグリフロジンの下肢切断リスクについて、心血管疾患のある65歳以上において最も明白な増大が認められること、追加有害アウトカムの発生に関する必要治療数(NNT)は6ヵ月で556例(切断例はカナグリフロジン投与1万例当たり18例超)であることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院・ハーバード大学医学大学院のMichael Fralick氏らによる検討で明らかにされた。GLP-1受容体作動薬投与群と比較した下肢切断リスクは1.73倍で、発生率の差は1,000人年当たり3.66であったという。先行研究のカナグリフロジンの心血管アウトカムを検討した試験「CANVAS試験」では、カナグリフロジン群がプラセボ群よりも下肢切断リスクが2倍近く高いことが確認されており、同試験対象者が従前試験よりも10歳以上高齢であったこと、またベースラインの心血管リスクが高かったことから、切断リスクの上昇は限定される可能性が示唆されていた。著者は、「今回の結果は、日常的ケアにおけるカナグリフロジン投与の、切断リスクを明らかにするものである」と述べている。BMJ誌2020年8月25日号掲載の報告。