糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:80

ダパグリフロジン、FDAがHFrEFに承認/AstraZeneca

 米国食品医薬品局(FDA)は2020年5月5日、SGLT2阻害薬のダパグリフロジンについて、2型糖尿病合併の有無にかかわらず、左室駆出率が低下(NYHA心機能分類:II~IV)した心不全(HFrEF)の成人患者の心血管死および心不全入院のリスク低下に対する適応を承認した。英国・AstraZeneca社が発表した。HFrEFに対してFDAが承認した初のSGLT2阻害薬となる。  本承認は、第III相DAPA-HF試験の良好な結果に基づいている。

NYのCOVID-19入院患者、高血圧57%、糖尿病34%/JAMA

 米国ニューヨーク州の12病院に入院した、新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019、COVID-19)患者5,700例について症例研究(case series)を行ったところ、年齢中央値は63歳、約57%が高血圧症を、また約34%が糖尿病を有していたことなどが明らかにされた。米国・Northwell HealthのSafiya Richardson氏らが報告した。試験期間中(2020年3月1日~4月4日)に退院・死亡した患者は、約半数近くの2,634例で、うち死亡は21%だった。また、侵襲的機械的人工換気を要した患者は320例で、その死亡率は88.1%だったという。米国におけるCOVID-19入院患者の特徴とアウトカムの情報は限定的であったが、著者は、「今回の症例研究により、ニューヨーク市周辺におけるCOVID-19入院患者の特徴と早期アウトカムが明らかになった」と述べている。JAMA誌オンライン版2020年4月22日号掲載の報告。

メトホルミン製剤の一部ロット自主回収

 2020年4月27日、大日本住友製薬株式会社のメトグルコ錠250mgおよび錠500mgの一部ロットおよび日本ジェネリック株式会社のメトホルミン塩酸塩錠500mgMT「JG」の一部ロットが自主回収(クラスI)されることとなった。  昨年、シンガポール保険科学庁より、メトホルミン塩酸塩含有製剤から発がん性物質であるN-ニトロジメチルアミン(NDMA)が検出されたことに伴い、シンガポールの一部事業者が自主回収に着手した旨が発表された。これを受け、厚生労働省は2019年12月9日付け事務連絡「メトホルミン塩酸塩における発がん性物質に関する分析について(依頼)」において、メトホルミン製剤におけるNDMAの分析を全15社に対して依頼した。

RCTの事前登録順守率、インパクトファクターと相関/BMJ

 世界保健機関(WHO)は2008年にヘルシンキ宣言を改訂し、その後2015年に臨床試験登録国際プラットフォームを設置して、臨床試験の事前登録を勧告している。カナダ・トロント総合病院のMustafa Al-Durra氏らによる検討の結果、勧告にのっとり事前登録した試験の割合は、全登録試験の約42%と低いことが明らかになった。無作為化試験(RCT)の事前登録は、試験結果の選択的な報告を減らすものと見なされている。これまで行われた研究では、RCTの事前登録の順守率は低いものでは4%、高いものでは77%と報告されていた。BMJ誌2020年4月14日号掲載の報告。

糖尿病予防、最も効果的な介入ターゲットが明らかに

 わが国の糖尿病患者は約1,000万人、さらに予備群も約1,000万人とされ、超高齢社会において、糖尿病予防は喫緊の課題のひとつである。しかし、人的・経済的な資源には限りがある。糖尿病を効果的に予防する介入ターゲットは、どのように絞り込めばよいのだろうか。  今回、坂根 直樹氏(京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室)は、「糖尿病予防のための戦略研究J-DOIT1」(研究リーダー:葛谷 英嗣氏)のデータを用いて、肥満、メタボリックシンドローム、肝臓の状態別に、生活習慣支援の糖尿病予防効果について解析を行った。Journal of Occupational Health誌2020年1月21日号に掲載。

エピジェネティック制御薬は心血管疾患の残余リスクを低下させない(解説:佐田政隆氏)-1217

冠動脈疾患に対する薬物療法の進歩には目を見張るものがあり、患者の長期予後を大きく改善させた。その中でも高用量のストロングスタチンは心血管イベントを3割から4割低下させるという数々のエビデンスが積み重ねられて、現在、標準的治療となっている。しかし、逆にいうと6割から7割の人が至適な薬物療法を行っても心血管イベントを起こしてしまうことになる。これが残余リスクとして非常に問題になっている。

新型コロナで7都府県の健診中断へ/日本人間ドック学会

 2020年4月10日、日本人間ドック学会(理事長 篠原 幸人氏)は健診現場での感染拡大を防ぐため、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る緊急事態宣言を踏まえた人間ドック健診等における対応について」を通知した。  7都府県を対象とした「緊急事態宣言」が4月7日~5月6日まで発出されたことにより、国の定める法定健診(特定健康診査・特定保健指導、労働安全衛生法に基づく一般健康診断、学校保健安全法に基づく児童生徒等及び職員の健康診断)は、4月中の実施が見送られる。通知には以下の協力事項が記載されている。

コレステロール降下薬のCutting Edge(解説:平山篤志氏)-1215

1994年にシンバスタチンの投与により心血管死亡が減少するという4S試験の報告以来スタチンによるコレステロール低下は動脈硬化性疾患の発症抑制、とくに冠動脈疾患の発症リスクを低下させてきた。しかし、最大量の強力なスタチンを用いてもコレステロール低下効果には限界があり、残余リスクの一因であった。コレステロール吸収阻害薬エゼチミブ、そしてPCSK9阻害薬の登場により、スタチンの限界を超えてコレステロールを低下することが可能となり、それに伴い心血管イベントの減少がもたらされた。しかし、薬剤の服用中止により、心血管イベントが増加することから、継続的な治療が必要であり、アドヒアランスをいかに維持するかが重要である。

DAPA-HF試験、非2型DMのHFrEFにもダパグリフロジンが有効/JAMA

 糖尿病(DM)の有無にかかわらず左室駆出率(LVEF)が低下した心不全(HFrEF)患者において、推奨治療へのダパグリフロジンの追加はプラセボと比較し、糖尿病の状態とは関係なく心不全増悪または心血管死のリスクを有意に低下させることが認められた。英国・グラスゴー大学のMark C. Petrie氏らが、20ヵ国410施設で実施した無作為化二重盲検第III相試験「DAPA-HF試験」の探索的解析結果を報告した。HFrEFに対する新たな治療が必要とされている中、選択的ナトリウム・グルコース共役輸送体2(SGLT2)阻害薬は、非DM患者であってもHFrEFに対する治療薬として有効である可能性が示唆されていた。JAMA誌オンライン版2020年3月27日号掲載の報告。

ACS発症の2型DM、低HDL-C値へのapabetalone追加投与は?/JAMA

 急性冠症候群(ACS)を発症した2型糖尿病でHDLコレステロール値が低い患者に対し、標準治療に加え、選択的BET(bromodomain and extraterminal)タンパク質阻害薬であるapabetaloneを投与しても、主要有害心血管イベントリスクは有意には低下しないことが示された。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのKausik K. Ray氏らによる、多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果で、JAMA誌オンライン版2020年3月27日号で発表された。apabetaloneはブロモドメイン2をターゲットとしており、アテローム血栓症との関連経路に良好な影響をもたらす可能性があると見なされ、プール第II相試験データでは、臨床的アウトカムへの良好な影響が示唆されていたという。