第3回「ACLS Upgrade 2010」
2010年に「心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン」が改定され、心肺蘇生や心血管治療に対するアプローチが大きく変わりました。「質の高いCPR」の重要性を更に追求した結果、その手順は簡略化され統一されました。第3回はその新しいガイドラインに沿いつつ、更に1歩前を行く蘇生法を併せて習得しACLSの達人を目指しましょう !
【症例1】
60歳男性。気分が悪いと外来診療に来院していたが待合室で急変、心肺停止に陥る。研修医1は従来のガイドラインに則った方法で心肺蘇生を行おうとするが、先輩の研修医2にはやることなすことダメ出しをされる。そして遂に… !?
【症例2】
78歳男性。自宅のトイレで倒れ孫が連れてきたが待合室で意識消失した。顔面蒼白で意識呼吸ともに(-)、PEAで心肺蘇生を開始する。駆けつけたDr.林の指導のもとチームの合言葉は「さるも聴診器 !」。
エコーでは微弱の拍動がみられDr.林は蘇生の可能性を見出す。次のアプローチは「か、か、か」 !?
第4回「謎多き女性の腹痛」
女性の腹痛は鑑別診断が多数あり、診療科も内科・婦人科・消化器科など多岐に関わるため診断が非常に難しく最も悩ましい疾患のひとつといえるでしょう。しかし中には、緊急手術が必要になるケースもあり、判断を誤ると深刻な事態にもなりかねませんから、自信をもって対応できる診断力を磨いてください。
症例ドラマと女性特有の腹痛に関する詳しい講義で多くの謎が解明されていきます。診断のポイントは意外なところにあった !?
【症例1】
28歳女性。夕食後からの下腹部痛と下痢を主訴に夜間来院した。待合室でのアナムネによりトリアージナースが迅速な診察が必要と判断。
バイタルサインは血圧:100/60mmHg,心拍数:50回/min,呼吸数:20回/min,体温:35.6℃。
【症例2】
25歳女性。2日前からの腹痛と下痢を主訴に深夜来院。研修医は日中の受診をすすめるが患者は夜の仕事のため昼間は寝ていて来られないと主張。直腸肛門検査ほか各種検査を行うが異常所見が見つからない。
バイタルサインは血圧:115/75mmHg,脈拍:80回/min,呼吸数:16回/min,体温:37.8℃。