第1回「話を聴くということ」
外来患者の中には、ひとつの疾患が原因と限らず、さまざまな原因が複雑に絡み合い症候として現れていることも少なくありません。特にメンタルな要素が伴う場合、非精神科医では非常に手こずってしまうケースが見受けられます。場当たり的な対応をして、余計に限られた時間を浪費してしまうなんてことも…。そんなお悩みを解決する本シリーズでは、米国の「Psychiatry In Primary Care」という、プライマリ・ケア医向けの優れたメンタル対応プログラムを日本の医療従事者のためにカスタマイズしてお届けします。
講師の井出先生の目標は、「初診でも20分以内に問診から診察までを完了すること」。プログラムに沿って学習していけば、精神科非専門医でも心療対応力をレベルアップして、日々の診療に臨めます。ぜひ「これならデキル!」を実感してください。
第2回「フォーマットで聴く」
プログラムのノウハウの真骨頂とも言うべき、フォーマットについて学びます。このフォーマットとは、定型的な構造に従って患者さんの話を聴くことです。これを遵守すれば、「時間を効率的に使える」「診療の疲れが劇的に軽減する」「聴き終わったときには、診断がついている」という三つのメリットを享受できます。
第3回「MAPSOとは?その①『うつ』と『躁』」
今回からは、いよいよ本格的なメソッドを公開します。メソッドのキモになるMAPSOとは、患者さんの心理コンディション[M:うつ・躁エピソードチェック/A:不安5種/P:精神病症状/S:アルコール/O:器質的]の聴取方法です。MAPSOをマスターすると、用語と疾患概念が内科臨床の中で使いやすいように整理できます。また、パターン認識によって素早く疾患の存在に気付けるようになります。 第3回では、[M:うつ・躁エピソードチェック]に関して解説します。臨場感溢れる講義をお楽しみください。