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Sedation for All ―安全で確実な鎮静・鎮痛プログラム―

全医療者必見! 正しい鎮静・鎮痛の知識と手技を体系化した動画マニュアル

診療科
救急科 
収録内容
第1回 モニタリングと医療機器
第2回 鎮静の薬理学(総論)
第3回 鎮静の薬理学(各論)
第4回 合併症予防
第5回 特殊な領域(高齢者編)
第6回 特殊な領域(小児編)
第7回 成人症例ディスカッション
第8回 小児症例ディスカッション
第9回 Procedural Sedation 実践編


講師
山口 征啓 下里 アキヒカリ 竹内 広幸 乗井 達守
収録時間
79分
価格
8,250円(税込)
発行日
2015-02-15
商品コード
CND0216

外来や救急で処置を行う際、必要最低限の鎮静や鎮痛を行うのに有用なのが「Procedural Sedation」。一般的には、現場の医師の経験則や勘を頼りに行われることが多く、体系化されたマニュアルがなかったのがこの分野。そこで、米国ニューメキシコ大学で開発されたProcedural Sedationを体系的に学べる研修プログラムを取り入れ、国内での普及に務めている健和会大手町病院のセデーションチームが、患者のモニタリングや症例に応じた薬剤の選択、適切な薬剤の投与法などをコンパクトにまとめた。この番組では、本来ならば大手町病院で丸1日かけて実施されるセデーションの研修プログラムから、最も重要なエッセンスを抽出して短時間で学べるよう再編。安全で確実なセデーション・マスターになろう!

第1回 モニタリングと医療機器」


まず「Procedural Sedation」とは何か、具体的にどういう場合に有用なのかを解説します。
ここでは75歳女性の右前腕変形と腫脹という症例を提示。徒手整復を行うにあたって、どんな鎮静・鎮痛が必要でしょうか。セデーションのマニュアルに沿って、患者をモニタリングする上でのポイント、鎮静・鎮痛の程度の見極め、処置後に注意すべきことなどを、順を追って詳しく解説。
軽度の鎮静・鎮痛であっても、薬剤の投与量が不十分だったり、逆に過剰だったりすると、それだけ患者の身体的負担は大きなものに。救急外来や病棟で、最適かつ安全なセデーションができるようになれば、処置の精度と効率は格段にアップします。

第2回 鎮静の薬理学(総論)
セデーションを実施するには、まず薬剤の特性をきちんと把握することが大事。今回は、薬理学の総論として、一般的な原則を解説します。
薬剤の投与量や投与法を決定する上で最も重要なこと―それは、各薬剤で異なるピーク時間(最大効果発現時間)を知ることです。
薬剤は投与後、血流に乗って中枢神経系に到達することで、徐々に効果を現し始めますが、ピーク時間を待たずに慌てて追加投与すると、過鎮静になり、患者の体に無用な負担を与えることになります。
安全で確実なセデーションとは、患者にとって無理がなく、かつ無駄のない薬剤投与を実施できること。
今回のレクチャーでは、この原則を徹底的にマスターしましょう。

第3回 鎮静の薬理学(各論)
安全で確実なセデーションを実施するために、薬剤によって異なるピーク時間(最大効果発現時間)を知っておく、という大原則を押さえた上で、今回は個別の薬剤の特性について具体的に解説します。
セデーションで主に使用する薬剤は、鎮静効果のみ得られるもののほか、鎮痛効果のみ、そして鎮静と鎮痛の効果を同時に得る場合に使用するものに大別できます。
また、薬剤の投与量が結果的に過多になってしまった場合に使用する拮抗薬についても解説。これも、鎮静薬と鎮痛薬によってそれぞれ使用すべき拮抗薬が異なります。
ただし、やみくもに拮抗薬を使用することは危険。このレクチャーでは、その役割と効果だけでなく、副作用やリスクにも言及し、どんな場合に投与を検討すべきかを明解に示しています。

第4回 合併症予防
急セデーションを実施する際に、注意しなければいけない気道や呼吸、循環などに関連した合併症があります。患者の特性やリスク因子をしっかり把握して起き得る合併症を防ぐことが大切ですが、医療者側の知識が不十分だったり、技術に問題があったりする場合もあります。このレクチャーでは、セデーションによる合併症を予防するために最低限やっておくべき10カ条について解説。いずれの項目もセデーションを実施する上での基本の「キ」ですが、合併症のリスクを回避するためにはとても重要です。

第5回 特殊な領域(高齢者編)
救急に搬送されてくる高齢者は、増加の一途です。もし、セデーションが必要な高齢患者に遭遇した時には、何を注意をすべきなのでしょうか。既往症が多く、多数の薬を服用している患者も少なくありません。また、加齢によって腎・肝機能の低下や、循環・呼吸器系の予備能についても、若い世代に比べて低下している人が多いはずです。そうした高齢者の特徴を踏まえて、安全かつ確実なセデーションを実施するための薬剤投与量や投与方法についてわかりやすく解説します。

第6回 特殊な領域(小児編)
このセッションでは、PSAを小児に実施する時に注意すべきポイントについて解説します。PSAの手順や鎮静・鎮痛に必要な薬理学は、大人も小児も体格差があるだけでベースは変わらないのでは?と思いがちですが、そこが大きな落とし穴!小児は“小さな大人”ではありません。解剖や生理の違いをきちんと理解し、適切な薬剤・器具の選択、大人と異なるモニタリングのポイントと注意点について詳しく説明します。

第7回 成人症例ディスカッション
ここまで学んできたセデーションの手順と薬理学を、実際の場面でどう生かすのか。この回では、成人の急患が運ばれてきた想定で、何をポイントに、どのレベルの鎮静や鎮痛が必要かを考え、どんな手順で実施するのかを学びましょう。ここで示されるケースの男性はかなりの肥満体。この体格的特徴によって、セデーションを行うに際にどのような注意が必要となるのでしょうか。適切な器具や薬剤の選び方も詳しく解説します。

第8回 小児症例ディスカッション
この回では、小児の急患が運ばれてきた想定で、セデーションのケースシミュレーションを行います。処置前の鎮静・鎮痛を実施する際、小児は“小さな大人”ではないため、成人とは異なる解剖や生理の違いをきちんと理解した上で対応する必要があることは、これまでの回ですでに学んだ通りです。ここで示されるケースは、唇にけがをした2歳児に対する、縫合前の鎮静と鎮痛。小児に対して、また家族への説明についてどんな注意と配慮が必要でしょうか。セデーションの手順の共に、忘れがちな処置前後の注意点を改めておさらいしましょう。

第9回 Procedural Sadation 実践編
これまで8回にわたって、セデーションの基本的な考え方から、実際の手順、モニタリングのポイント、使用する薬剤などを網羅的に解説してきました。それらを実践でどのように生かせばよいのでしょうか。この回では、健和会大手町病院のセデーション研修で参加者たちが体験したシミュレーションの模様を観ながら、セデーションの流れを改めて確認しましょう。シミュレーションでは、交通事故で搬送されてきた患者の足関節脱臼を徒手整復するにあたって、セデーションを実行しますが、救急外来は時間勝負。速やかな方針決定だけでなく、スタッフへの伝達、関係科の医師への説明なども必要になってきます。そして、案外見落としがちなのが、一連の処置が終わった後の患者モニタリング。4人の講師たちが重要なポイントとして挙げたことや注意点を思い出しながらご覧ください。

山口 征啓 ( やまぐち ゆきひろ )氏 健和会大手町病院 総合診療科・感染症内科

1997年、大分医科大学卒業。 ・日本内科学会認定内科専門医 ・Infection Control Doctor ・ECFMG certificate ・NPO法人 北九州地域インフェクションコントロールチーム(KRICT)監事 ・日本感染症学会暫定指導医 ・日本プライマリ・ケア連合学会指導医 ・日本環境感染学会

下里 アキヒカリ ( しもさと あきひかり )氏 健和会大手町病院 麻酔科

2002年琉球大学医学部卒業。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会専門医。

竹内 広幸 ( たけうち ひろゆき )氏 健和会大手町病院 麻酔科

2004年佐賀大学医学部卒業。日本麻酔科学会認定医、日本救急医学会専門医、JB-POT認定医。

乗井 達守 ( のりい たつや )氏 米国・ニューメキシコ大学病院救急部チーフレジデント

2007年佐賀大学医学部卒業。健和会大手町病院にて初期研修、在沖縄米国海軍病院でインターンシップ後、11年よりニューメキシコ大学病院で救急研修開始。13年より同病院救急部チーフレジデント。