第1回「どうしてキライ?神経内科」
誰も調べたことはないけれど、プライマリケア医に最も「苦手」で「きらい」な科を尋ねたら、常に神経内科はそのトップを争うのではないでしょうか。学生時代に点数が取れなかったいやな思い出を持つ方もたくさんいらっしゃることでしょう。第1回はまず、どうして神経内科が医師の間で「苦手」と思われているのか、その理由と背景を分析、そしてそれらの多くは誤解であり、克服できることを証明します。
第2回「頭痛の診断にCTは役に立たない?」
「このタイトルを見て『そんなことあたり前じゃないか』と思う方は、見ていただかなくて結構。」と池田先生。確かに私たちは、日々漫然とCTを撮ってしまっているのが現状かもしれません。しかし、“頭痛ですか?ではCTでも撮りましょう”という安易な考え方が、日本に必要以上に多くのCTをもたらし、医療費を圧迫する大きな原因の一つになっているのだと池田先生は指摘します。それでは頭痛、例えば、くも膜下出血を疑うような頭痛の患者さんが来院したとき、プライマリ・ケアとしてはどう対処すればいいのでしょうか? 頭痛を引き起こす疾患は無数にあり、一つ一つを鑑別することは難しいかも知れません。しかし、少なくとも見落としてはいけない疾患、命に関わるような病気には機敏に反応できる技術を持っておきたいもの。そんな疑問をマッシー池田先生が一刀両断します!
第3回「発熱・頭痛、それってホントに風邪?」
「熱が出て頭が痛いんです」そんな患者さん、日々何人もの患者さんが来院されることでしょう。そんな時、「風邪ですね。お薬を出しておきましょう」と簡単にすませていませんか? もちろん多くの場合、風邪であることがほとんどなのですが、似たような症状でも実は、髄膜炎やくも膜下出血、慢性硬膜下血腫、脳出血、側頭動脈炎などの急を要する疾患であったり、あるいは緑内障ということも、無きにしもあらずなのです。かといってこれらの病気の症候を丁寧にとったり、ましてや神経学的所見をひとつ一つとるなんて「非現実的!」と思われることでしょう。それでも、やはり髄膜炎くらいは最低限見逃さないようにしなくてはなりません。 今回も池田先生がそんな疑問にお答えします。すべての疾患を完璧にルールアウトというわけにはいきませんが、忙しい外来診療の中でどうやって診察を絞り込み、短時間でどう実践するか、数々のデータに基づき現実的な診察の流れを伝授します。