第1回 「EBMとはなんだ?」
Evidence-Based Medicine(EBM)は、不確実な医療の現場において臨床判断をする際にエビデンス(臨床研究による実証)を活用するアクションです。このシリーズではEBM の実践法とそのために必要な臨床統計学について理論・数式ではなくイメージを通じて簡潔明快に解説していきます。
第1回はEBM の正しい理解と実践法から始まりEBM の真髄に迫ります。EBM ではエビデンスの質の評価をし、エビデンスに振り回されることのない患者中心の医療を目指します。「患者に始まり患者に帰着する」ことを忘れてはいけません。エビデンスを適確に素早く読むワザや、EBM 実践法のコツなど、実用的な内容をお送りします。
第2回 「単純明快!臨床統計学の基礎」
「統計挫折者、全員集合!!」初心者にも分かりやすいと大好評の、数式を使わない臨床統計学の入門シリーズ。第2回は、EBM実践に必要な臨床統計学の基礎を体系的に解説します。
多くの方にとって統計学は難解でとっつきにくい印象があるでしょう。それは実地教育実践者からの説明を受けたことがないからだと思います。数値は臨床的枠組みのなかで初めて意味を持ちます。よりよい医療のための活きた臨床統計学総論と相関について簡明に解説します。
第3回 「診断編① これでスッキリ ! 感度と特異度」
数式を使わない臨床統計学入門シリーズ。
第3回のテーマは、「感度」と「特異度」。国試のために一夜漬けして覚えたもののすぐに忘れてしまったという方も多いのではないでしょうか。
医療には不確実性が伴いますので、診断にはどうしても誤診を避けられないのが現実です。「感度」と「特異度」は検査特性の指標ですが、統計学的定義や式を覚えただけでは意味がありません。「感度=見落としの少なさ」と「特異度=過剰診断の少なさ」といった臨床的な枠組みの中で初めて意味を持つのです。診察に応用することで検査の限界を知り、かつ無駄な検査を避けるだけでなく、検査の選び方や判定の仕方が確実に身につきます。今回もイメージで理解できる簡明で実用的な解説をお送りします。