過去30年間の世界の糖尿病有病率と治療率の推移(解説:住谷哲氏)
昨年国連が発表した世界人口は約82億人で、今世紀中には100億人を突破するようだ。今から30年ほど前の1990年の世界人口は53億人だったのでこの30年間に約30億人増加したことになる。そこでこの30年間に世界の糖尿病患者数と治療率がどう推移したかを検討したのが本論文である。世界中から収集した18歳以上の1億4,100万人のデータに基づく解析であるから、現時点でのもっとも詳細な疫学データと思われる。従来実施された同様の研究では糖尿病の診断に主としてFPGが用いられたが、本解析ではHbA1cまたは糖尿病治療歴の有無も使用されているので精度の点でも優れている。