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2024/06/27
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内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:18

sFlt-1/PlGFの繰り返し検査は妊娠高血圧腎症に伴う新生児合併症率を低下させず(解説:前田裕斗氏)

Soluble fms-like tyrosine kinase-1(sFlt-1)と血管新生因子、とくに placental growth factor(PlGF)を用いた検査は、妊娠中から後期にかけて妊娠高血圧腎症が疑われる妊婦について1週間以内の発症可能性を予測するための検査であり、日本でも妊娠18週から36週未満の間に、原則一連の妊娠に対して1回のみ算定することができる。今回のPARROT-2試験の前身であるPARROT試験では、PlGFベースの検査結果を診療に利用する群で妊娠高血圧腎症の診断までの期間が有意に早くなり、母体合併症の有意な減少を認めた。PARROT-2試験ではPlGFベースの検査を繰り返し行い、結果を利用しながら管理する群と管理に検査結果を利用しない群で新生児合併症を主要評価項目としてランダム化比較試験が行われた。

「魚と酒」は「肉中心」より高血圧になりやすい!?~日本人男性

 食事パターンと高血圧発症の関連を検討した日本人男性における前向きコホート研究で、「魚介類とアルコール」より「肉類中心」や「乳製品/野菜中心」のほうが高血圧リスクが低かったことを、東北大学/中国・Heze UniversityのLongfei Li氏らが報告した。本研究では食事パターンの特定に、食物摂取頻度・食事行動・調理方法を考慮した「教師なし機械学習法」を用いている。European Journal of Nutrition誌オンライン版2024年2月25日号に掲載。

認知機能低下の高齢者における活動時の疼痛の特徴

 神戸学院大学の中田 健太氏らは、アビー痛みスケール(APS)を用いて、認知機能が低下している高齢者の運動および活動に伴う疼痛を評価し、活動時の疼痛を効果的に反映するサブ項目を特定しようと試みた。Journal of Pain Research誌2024年3月5日号の報告。  富山県・池田リハビリテーション病院の筋骨格系疾患および認知機能低下を有する高齢患者225例を対象に横断的研究を実施した。歩行中または移動中の疼痛の評価には、言語式評価スケール(VRS)およびAPSを用いた。疼痛の有無や程度を最も正確に反映するAPSサブ項目を特定するため項目反応理論(IRT)を用いた。

PREVENT計算式で心血管疾患リスクを推定可能に

 「心血管疾患(CVD)イベントのリスク予測(Predicting Risk of CVD EVENTs;PREVENT)」方程式は、心不全を含むCVDのリスクを正確に推定できることが、「Circulation」に11月10日掲載のmethods paperおよび付随する科学的声明により報告された。この結果は、米国心臓協会の年次学術集会(AHA 2023、11月11~13日、米フィラデルフィア)でも同時発表された。  CVDの絶対リスクを評価する多変量リスク予測方程式の使用は、複数の一次予防ガイドラインにおいて現在推奨されているが、課題も多く存在する。米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部のSadiya S. Khan氏らは、心血管・腎臓・代謝の3つの軸に関連する予測因子や、健康の社会的決定因子も考慮した新たな方程式が必要と考え、CVDの既往のない30~79歳の米国成人を対象としたPREVENT方程式を開発した。

糖尿病になりやすい食習慣は?~日本人13万人10年間の調査

 朝食を抜く、早食いをする、間食をするといった食習慣が2型糖尿病の発症と関連することが欧米の研究で示されている。本邦においても食習慣と糖尿病発症の関係が検討されており、朝食を抜く、早食いをするといった食習慣が2型糖尿病の発症と関連するという報告がある。ただし、これらの研究にはサンプルサイズが小さい、もしくは追跡期間が短いといった限界が存在していた。そこで、京都府立医科大学の豊國 恵麻氏らの研究グループは、日本人約13万例を対象に、追跡期間10年間のコホート研究を実施した。その結果、とくにBMI 25kg/m2未満の集団では、早食いをする、就寝前2時間以内に夕食を食べるといった食習慣が2型糖尿病のリスクとなることが示された。本研究結果は、Journal of Diabetes Investigation誌オンライン版2024年4月2日号で報告された。

新型コロナが世界の死因の第2位に(GBD 2021)/Lancet

 米国・ワシントン大学のMohsen Naghavi氏らGBD 2021 Causes of Death Collaboratorsは、「世界疾病負担研究(GBD)」の最新の成果としてGBD 2021の解析結果を報告した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、長期にわたる平均余命の改善や多くの主要な死因による死亡の減少が妨げられ、このような悪影響が地域によって不均一に広がった一方、COVID-19の流行にもかかわらず、いくつかの重要な死因の減少には継続的な進展がみられ、世界的な平均余命の改善につながったことが明らかとなった。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2024年4月3日号に掲載された。

レビー小体型認知症に対するドネペジルの有用性~国内第IV相試験

 ドネペジルは日本において、レビー小体型認知症(DLB)に対する治療薬として承認された。大阪大学の森 悦朗氏らは、DLBに対するドネペジルの有効性を評価するため、12週間の二重盲検期間における全体的な臨床症状に焦点を当てた第IV相試験の結果を報告した。Psychogeriatrics誌オンライン版2024年3月4日号の報告。  DLBが疑われる患者をプラセボ群(79例)またはドネペジル10mg群(81例)にランダムに割り付けた。主要エンドポイントは、臨床面接による認知症変化印象尺度-介護者入力(Clinician's Interview-Based Impression of Change plus Caregiver Input:CIBIC-plus)を用いて評価した全体的な臨床症状の変化とした。また、CIBIC-plusの4つの領域(全身状態、認知機能、行動、日常生活活動)およびミニメンタルステート検査(MMSE)、Neuropsychiatric Inventory(NPI)で測定した認知機能障害と行動および精神神経症状の変化も評価した。

メトホルミンのがんリスク低減、がん種別では?~166研究のメタ解析

 メトホルミンは、糖尿病管理のほかにがんリスクを低下させる可能性が報告されている。今回、米国・国立がん研究所(NCI)のLauren O'Connor氏らが、メトホルミン使用とがんリスクの関連を包括的系統的レビューとメタ解析により検討した。その結果、消化器がん、泌尿器がん、血液腫瘍のリスク低下との関連が示唆された。しかしながら、有意な出版バイアスがみられたことから信頼性には限界があるという。Journal of the National Cancer Institute誌2024年4月号に掲載。

甘い飲み物の飲み過ぎで心房細動?

 加糖飲料や人工甘味料入りの飲料を飲み過ぎると、心房細動になりやすくなる可能性を示唆するデータが報告された。上海交通大学医学院附属第九人民医院(中国)のNingjian Wang氏らの研究によるもので、詳細は「Circulation: Arrhythmia and Electrophysiology」に3月5日掲載された。  甘味飲料の摂取量が一部の心血管代謝疾患のリスクと関連のあることは知られているが、心房細動との関連はこれまで明らかにされていない。心房細動は不整脈の一種で、自覚症状として動悸やめまいなどを生じることがある。ただしより重要なことは、心房細動では心臓の中に血液の塊(血栓)が形成されやすくなって、その血栓が脳の動脈に運ばれて脳梗塞が起きてしまうリスクが高い点にある。このタイプの脳梗塞は梗塞の範囲が広いことが多く、重症になりやすい。

非高リスクコロナ患者、ニルマトレルビル・リトナビルvs.プラセボ/NEJM

 重症化リスクが高くない症候性の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)成人外来患者において、COVID-19のすべての徴候または症状の持続的な緩和までの期間は、ニルマトレルビル/リトナビルとプラセボで有意差は認められなかった。米国・ファイザーのJennifer Hammond氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照第II/III相試験「Evaluation of Protease Inhibition for COVID-19 in Standard-Risk Patients trial:EPIC-SR試験」の結果を報告した。ニルマトレルビル/リトナビルは、重症化リスクがある軽症~中等症COVID-19成人患者に対する抗ウイルス治療薬であるが、重症化リスクが標準(重症化リスク因子のないワクチン未接種者)または重症化リスク因子を1つ以上有するワクチン接種済みの外来患者における有効性は確立されていなかった。NEJM誌2024年4月4日号掲載の報告。