内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:191

オミクロン株症候性感染の予防、既感染+3回接種が高い効果/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン(BNT162b2[ファイザー製]、mRNA-1273[モデルナ製])接種やオミクロン変異株(B.1.1.529)以外への既感染、およびその両者(ハイブリッド免疫)を有する場合、オミクロン変異株亜種のBA.1/BA.2感染による重症化の予防効果について、識別可能な違いはないことが示された。症候性感染に対する予防効果は、既感染+最近のブースター接種からなるハイブリッド免疫が最も強力だったという。Weill Cornell Medicine-QatarのHeba N. Altarawneh氏らが、カタール国内で行った診断陰性ケースコントロール試験の結果で、NEJM誌オンライン版2022年6月15日号で発表された。  研究グループは、2021年12月23日~2022年2月21日にカタール国内でマッチド診断陰性ケースコントロール試験を行い、COVID-19ワクチン(BNT162b2またはmRNA-1273)接種や、オミクロン変異株以前の変異株への感染による自然免疫、およびハイブリッド免疫(既感染+ワクチン接種)による、症候性オミクロン変異株感染および重症・重篤・致死的COVID-19に対する有効性を検証した。

ヤンセン製の新型コロナワクチン国内承認、公的接種での対象とせず

 ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の医薬品部門であるヤンセンファーマは、6月20日付のプレスリリースで、同社製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて、18歳以上を対象として、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを発表した。一般名はコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(遺伝子組換えアデノウイルスベクター)、販売名はジェコビデン筋注。国内で承認を得た5種類目のワクチンとなる。公的接種の対象とはせず、接種希望者は自費で接種することが想定されている。  本ワクチンは、すでに承認済みのアストラゼネカ製と同じウイルスベクターワクチンで、海外第III相臨床試験のENSEMBLE試験において、単回接種でのCOVID-19に対する予防効果および安全性が確認されている。海外第III相臨床試験のENSEMBLE2試験では、本ワクチンを初回接種2ヵ月後に追加接種時の予防効果および安全性を評価し、予防効果が改善され、追加接種しても単回接種時と同様の安全性の結果を獲得できることが示された。国内で実施された第I相COV1002試験では、日本人に対しての安全性および免疫原性を確認し、海外試験と同様の免疫原性および安全性の結果を獲得しているという。

地域一般住民におけるフレイルな高齢者に対する多因子介入が運動機能障害を予防する(解説:石川讓治氏)

日本老年医学会から提唱されたステートメントでは、Frailtyとは、高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念であるとされている。わが国においてはフレイルと表現され、要介護状態や寝たきりになる前段階であるだけでなく、健康な状態に戻る可逆性を含んだ状態であると考えられている。フレイルの原因は多面的であり、運動、栄養改善、社会的なサポート、患者教育、ポリファーマシー対策といった多因子介入が必要であるとされているが、加齢という最大のフレイルのリスク要因が進行性であるため、フレイルの要介護状態への進行の抑制は困難を要する場合も多い。

ワクチン4回目接種スタート、医師は接種したい?したくない?/1,000人アンケート

 2022年5月25日に新型コロナワクチンの4回目接種がスタートした。今回は接種の対象者が、1)60歳以上、2)18~60歳未満で基礎疾患がある人・重症化リスクが高いと医師が認めた人、に限定されている。医師はこの方針についてどう捉え、自身の接種についてはどう考えているのだろうか? ケアネットでは、6月7日(火)に60歳未満の会員医師1,000人を対象に、インターネットで「4回目接種」について希望や考えを問うアンケートを行った。  「現在の自身のワクチンの接種状況」を聞いた設問では、92%が「3回接種済み」と回答した。1回または2回接種済み(計5.4%)、未接種(3%)との回答者もいたものの、医療者として感染リスクの高い場所で勤務している場合が多いことに加え、勤務先からも接種指示が出されるケースも多いと予想され、3回接種を終えている人が大半だった。  一方、「自身は4回目接種を受けたいか」との設問への回答は、意見が分かれた。「対象となったら、すぐに接種したい」が33%、「対象となったら、時期を見て接種したい」が36%と計7割を占めたものの、「対象となっても、接種したくない」「どちらともいえない」も各15%、13%を占めた。

PC使用や自動車運転と認知症リスク~プロスペクティブ研究

 座りがちな行動は、高齢者の認知症リスクと関連しているといわれている。東北大学の竹内 光氏らは、自動車運転やコンピューターの使用が、高齢者の認知症リスクと関連しているかを調査した。その結果、座りがちな行動の種類により将来の認知症リスクは異なり、単純に座っている時間のみで評価するのではなく、さまざまな要因を考慮する必要があることを報告した。Frontiers in Aging Neuroscience誌2022年5月16日号の報告。  対象は欧州の中高年成人を含む縦断的コホート研究の参加者のうち、ベースライン(2006~10年)より5年前に認知症と診断されておらず、ベースラインから5年以内に死亡していなかった人で、2018年までフォローアップし分析した。交絡因子で補正した後、ベースラインで質問票より得られた自動車運転時間および非職業的コンピューター使用時間と、5年後の認知症発症との関連を分析した。自動車運転およびコンピューター使用の時間により、4群(A群:0時間/日、B群:1時間未満/日、1時間/日、C群:2時間/日、3時間/日、D群:4時間以上/日)に分類した。分析にはCox比例ハザードモデルを用いた。

12~18歳の新型コロナワクチン有害事象、女子に高リスク傾向/日本化学療法学会

 現在、12~18歳の約75%が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えているという。この年齢層での新型コロナウイルスワクチンの有害事象の調査結果について、大阪医科薬科大学の小川 拓氏が、2022年6月3日~5日に開催された第70回日本化学療法学会総会にて発表した。  ワクチン接種による有害事象は12~18歳も成人データと大きく変わらない 本研究では、中学校・高等学校の生徒のうち、新型コロナウイルスワクチンの接種を、希望者469人に対して、2021年9月25日~10月28日に職域接種として行った。1回目はすべてモデルナ製ワクチン(0.1mg)であったが、若年男性に心筋炎・心膜炎のリスクがあることが厚生労働省から発表されたことを受け、2回目は男子に限りモデルナ製に加え、ファイザー製ワクチン(0.225mg)も選択可能とした。男子108人(うち2回目ファイザー製72人)、女子44人の計152人が研究に参加した。被験者に、新型コロナウイルスワクチンの有害事象でよく見られる症状を記載したアンケート形式の健康観察票に、2週間分を記録してもらった。

コロナワクチンの副反応疑い、長期観察での発生率は?ファイザーvs.モデルナ

 RCTではBNT162b2(ファイザー製)ワクチンおよびmRNA-1273(モデルナ製)ワクチンを接種した人の副反応の発生率が低いことはわかっている。しかし、より長期フォローアップかつ大規模で多様な集団での、より広範囲の潜在的な副反応に対する安全性は明らかになっていない。そこで、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のBarbra A Dickerman氏らは、上記2剤のワクチン接種による副反応リスクに関して直接の安全性を比較するための調査を実施。

高血圧患者数約2,700万人の9割に治療薬が処方/日本高血圧学会

 日本高血圧学会、医療経済研究機構、東京大学は共同研究として、全国民のレセプトデータであるNDB(national database)の分析により、わが国の医療機関における高血圧性疾患受療者数と治療薬処方数を初めて明らかにし、その内容をHypertension Research誌オンライン版2022年6月10日号に公開した。  解析の結果、高血圧性疾患に罹患しているが実際に未受診の患者が多いこと、高血圧性疾患の受療者の多くは小規模な医療機関を受診していること、都道府県別での高血圧受療率の差などが本研究で明らかとなった。

RBDダイマー由来のCovid-19ワクチンZF2001の成人における有効性と安全性(解説:寺田教彦氏)

ZF2001ワクチンは、組み換えタンパクCOVID-19ワクチンの1つで、SARS-CoV-2の受容体結合ドメイン(RBD)をベースにしたワクチンである。組み換えタンパクワクチンは抗原以外の物質で免疫の獲得を助ける物質であるアジュバントが添加されるが、ZF2001はアジュバントとして水酸化アルミニウムが含有されている。組み換えタンパクワクチンの技術はCOVID-19ワクチン以前からも用いられており、1986年にB型肝炎が承認されるなど、他のワクチンでも使用実績がある。本邦で薬事承認され、予防接種法に基づいて接種されているCOVID-19ワクチンは、ファイザー社のmRNAワクチン(商品名:コミナティ)、武田/モデルナ社のmRNAワクチン(同:スパイクバックス)、アストラゼネカ社のウイルスベクターワクチン(同:バキスゼブリア)、武田社の組み換えタンパクワクチン(同:ヌバキソビッド)があるが、このうち、ZF2001と同様の組み換えタンパクワクチンは武田社のヌバキソビッドである。

モデルナ2価ワクチン候補、オミクロン株に対する抗体反応で優越性確認

 2022年6月13日、Moderna(米国)はオミクロン株を含む2価追加接種ワクチン候補 mRNA-1273.214について、同社の承認済みのワクチンmRNA-1273(商品名:スパイクバックス筋注)の追加接種と比較して、オミクロン株に対する抗体反応で優越性が示されたことを発表した。  mRNA-1273.214は、mRNA-1273の有効成分と変異株であるオミクロン株を標的とするワクチンの有効成分候補を含有する、Moderna の2価追加接種ワクチン候補である。