内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:190

新型コロナ、住民への注意喚起のタイミングの目安を発表/厚労省

 厚生労働省は8月9日の事務連絡にて、感染拡大する新型コロナウイルス感染症の早期対応のため、各都道府県に向けて住民等に注意喚起を行う際の検討の参考となるタイミングの目安を発表した。  なお、本目安は、新型コロナ流行時において医療への負荷が主たる課題となることから、感染拡大が継続したとしても医療提供体制を確保するために設定されたものであり、感染症サーベイランスにおける感染症の流行の程度に関する注意報・警報レベルとは考え方が異なる。また、本目安は暫定的に設定されたもので、今後の流行状況等を踏まえ、変更される可能性もあるという。

うつ病と炎症性腸疾患との関連~メタ解析

 うつ病または抑うつ症状の既往歴のある患者は、炎症性腸疾患(IBD)リスクが高いといわれている。イタリア・Humanitas UniversityのDaniele Piovani氏らは、うつ病または抑うつ症状とその後の新規IBD(クローン病、潰瘍性大腸炎)発症との関連を調査するため、縦断的研究を実施した。その結果、うつ病歴を有する患者は、たとえ診断から数年たっていたとしても、軽度から中程度のIBDリスクが上昇する可能性が示唆された。Inflammatory Bowel Diseases誌オンライン版2023年6月10日号の報告。

スパイロメトリー正常の喫煙者、症状有無で呼吸器機能の経過に違いは?/JAMA

 症候性のタバコ曝露あり・スパイロメトリー正常(tobacco exposure and preserved spirometry:TEPS)者は、無症候性TEPS者と比べて、FEV1低下速度や、慢性閉塞性肺疾患(COPD)発生率に有意差はみられないことが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のWilliam McKleroy氏らによる多施設共同長期観察試験「SPIROMICS II試験」で示された。一方で、症候性TEPS者は追跡期間中央値5.8年の間に、呼吸器症状が増悪した被験者が有意に多かったという。喫煙者はスパイロメトリー正常でも呼吸器症状を有することがあるが、これらの人々は通常、COPD治験では除外され、エビデンスベースの治療が欠落している。研究グループは、無症候性TEPSと症候性TEPSの自然経過を明らかにする検討を行った。JAMA誌2023年8月1日号掲載の報告。

スポーツで心臓突然死が起こりやすいのはサッカー

 心臓の病=高齢者のイメージが強いが、心臓突然死に限って言えば若年者も他人ごとではない。心臓突然死では年間約6~8万人が亡くなっており、その発生件数は年齢とともに増加する。ところが、スポーツ関連の突然死の場合は若年層に多く、18歳以下の突然死の約4割はスポーツ関連であるという。ではどんなスポーツで発生しやすいのだろうか。そしてその予防対策や心掛けておくべきことはなんだろうか-。今回、8月10日健康ハートの日を前に行われた第4回健康ハート・シンポジウムにおいて、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)の医学委員を務める林 英守氏(順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学 准教授)が『サッカー×ハート ~今、私たちにできることは?~』と題し、発症リスクの高いスポーツ、試合前の体調管理方法について解説した。

わが国の平均寿命、コロナの影響などで男女とも低下/厚生労働省

 厚生労働省は、7月28日に令和4年の簡易生命表の概況を発表した。これによると男性の平均寿命は81.05歳、女性の平均寿命は87.09歳となり、前年と比較し男性は0.42年、女は0.4年下回ったほか、平均寿命の男女差は6.03年で前年より0.07年縮小した。  平均寿命の前年との差を死因別に分解すると、男性は悪性新生物(腫瘍)などの死亡率の変化が平均寿命を延ばす方向に働いていたが、男女とも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、心疾患(高血圧性を除く)、老衰などの死亡率の変化が平均寿命を縮める方向に働いていた。

1日3.4分の高強度の身体活動で、がんリスク17%減

 高強度の身体活動(Vigorous Physical Activity:VPA)は、がん予防のために推奨される身体活動(Physical Activity:PA)を達成するための効率のよい方法であるが、多くの人にとって継続のハードルが高い。「日常生活中の高強度の断続的な身体活動(Vigorous Intermittent Lifestyle Physical Activity:VILPA)」を継続することで、がん発症のリスクを大幅に低下させる可能性があることが、新たな研究で明らかになった。オーストラリア・シドニー大学のEmmanuel Stamatakis氏らによる本研究の結果は、JAMA Oncology誌オンライン版2023年7月27日号に掲載された。

バイアスドリガンドorforglipronは2型糖尿病・肥満症治療のgame changerになり得るか?(解説:住谷哲氏)

GLP-1受容体作動薬は2型糖尿病患者に対する血糖降下作用、体重減少作用および臓器保護作用が明らかにされている。さらに肥満症治療薬としてセマグルチド(ウゴービ)が製造承認されて現在薬価収載待ちの状況である。GLP-1受容体作動薬は有用な薬剤であるが注射薬のバリアはなかなか手ごわく、必要な患者に導入できないことが少なくない。そこで登場したのが経口セマグルチド(リベルサス)であったが、早朝空腹時に120ml以下の水で服用してその後30分は飲食不可、となっているので注射薬ほどではないが服薬アドヒアランスを維持するのが難しい。

慢性片頭痛の診断率~6ヵ国の比較

 米国・アッヴィのAubrey Manack Adams氏らは、世界6ヵ国における慢性片頭痛患者の評価に基づいた詳細調査を実施した。その結果、6ヵ国ともに、片頭痛の過小診断の割合が高いことが示唆された。Cephalalgia誌2023年6月号の報告。  カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国、米国において、Webベースの横断的観察コホート研究を実施した。最初のスクリーニング調査では、代表的なサンプルより一般的な健康管理情報を収集し、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)基準に基づき片頭痛の有病率を特定した。検証済みの片頭痛特有の評価に基づき詳細調査を行った。

CVDの1次予防、6ヵ月の菜食は薬物治療に引けを取らない

 一般集団において、肉類を摂取しない菜食生活は心血管代謝リスクを改善することが報告されているが、心血管疾患(CVD)リスクが高い人おける効果は結論が出ていない。そこで、オーストラリア・シドニー大学のTian Wang氏らが、CVD高リスク者やCVD患者を対象に菜食生活と主要な心血管代謝リスク因子との関連についてメタ解析を実施した結果、6ヵ月間の菜食生活は、CVD高リスク者では有意なLDL-コレステロール(LDL-C)やHbA1c、体重の改善と関連していたことを発表した。JAMA Network Open誌2023年7月25日号の報告。

コロナ異種ワクチンによる追加接種を支持するエビデンス/BMJ

 オミクロン株が優勢な時期における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種では、プライマリ接種スケジュール(2回接種)や同種ブースター接種(3回)と比較して、異種ブースター接種(3回)はCOVID-19による入院や死亡の予防効果が優れていたことが、デンマーク・Statens Serum InstitutのNiklas Worm Andersson氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2023年7月24日号に掲載された。