内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:314

第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」を策定/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」を策定し、同学会のホームぺージで公開した。  本計画は、増加を続ける糖尿病患者の歯止めと診療の進歩への寄与などを盛り込んで、2004年より策定されているもの。第3次計画では、糖尿病予備群の数の減少、健康寿命の延伸、わが国独自の糖尿病の疫学・臨床データの蓄積、専門知識を持つさまざまな職種の人材の育成などが予測される成果として標榜され、検証されている。

心房細動と超過死亡の関連、45年の長期分析の結果は/BMJ

 心房細動と全死因死亡との関連について、時間的傾向は見いだせないことが、デンマーク・オーフス大学のNicklas Vinter氏らによる検討で明らかにされた。フラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study:FHS)の被験者を対象に45年間の関連傾向を分析した結果によるもので、心房細動診断後10年時点での心房細動による平均喪失寿命年数は顕著に改善していたが、心房細動を診断されていない被験者との間には、なお2年間のギャップが残存し続けていることも示された。新規診断の心房細動は死亡ハザード比を増大する。一方で心房細動患者における短期および長期の生存確率が経時的には改善していることが報告されていた。BMJ誌2020年8月11日号掲載の報告。

COVID-19、第1波・第2波の特徴と転帰を比較/JAMA

 COVID-19感染流行において、初期と2度目の流行では、患者の属性や臨床的症状、転帰に違いはあるのか。Center for Outcomes Research(米国・ヒューストン)のFarhaan S. Vahidy氏らによる分析が、JAMA誌オンライン版2020年8月13日号のリサーチレターで報告されている。  著者らは、テキサス州ヒューストンの8病院が使うヘルスケアシステム・Houston Methodistの電子カルテから、PCR検査で陽性となったCOVID-19重症患者を抽出したうえで、年齢、性別、人種/民族、併存症、投薬、ICU入院、死亡率を分析した。第1波は2020年3月13日~5月15日、第2波は5月16日~7月7日までとした。2020年7月7日時点におけるCOVID-19の入院患者のユニーク数は2,904例、第1波が774例、第1波が2,130例だった。

レビー小体型認知症が疑われる患者の初期症状と診断時の特徴

 レビー小体型認知症(DLB)は、さまざまな初期症状がみられるが、多くのDLBの症例に焦点を当てた報告は、これまでほとんどなかった。北海道・砂川市立病院の内海 久美子氏らは、診断時にDLBおよびDLB関連症状が認められた患者234例を対象に、初期症状をレトロスペクティブに評価し、症状プロファイルの性差について検討を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2020年8月2日号の報告。  対象は、2017年に改訂されたDLBの臨床診断に関するコンセンサス基準を満たした、DLBの可能性の高い患者234例。DLBは、ドパミントランスポーターシンチグラフィと123 I-MIBG心筋シンチグラフィで確認した。脳灌流は、SPECTを用いて測定した。これらに加えて、中心および補助的な臨床的特徴を考慮した。

COVID-19対策のうがいは是か非か

 8月上旬、大阪府知事の吉村 洋文氏は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策にうがい薬ポビドンヨード液を推奨する緊急記者会見を開いた。この会見の報道を受け、うがいは新型コロナ感染症対策として優先順位は低いなどと発言する一部の専門家もいたが、やはり口腔ケアは感染症対策として重要なのではないだろうかー。2020年8月5日に開催された第2回日本抗加齢医学会WEBメディアセミナーで、阪井 丘芳氏(大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室教授)が「COVID-19と唾液腺~重症化予防のための新たな口腔ケア」について講演し、口腔の衛生管理の重要性について語った。

浮腫による蜂窩織炎の再発予防、圧迫療法は有効か/NEJM

 下肢の慢性浮腫による蜂窩織炎がみられる患者の予防治療において、圧迫療法は保存的治療に比べ、蜂窩織炎の再発率が低く、蜂窩織炎による入院も抑制される傾向がみられることが、オーストラリア・Calvary Public Hospital BruceのElizabeth Webb氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年8月13日号に掲載された。下肢慢性浮腫は、蜂窩織炎のリスク因子とされる。蜂窩織炎の再発予防には、下肢の着圧衣類(弾性ストッキングなど)の日常的な使用が推奨されているが、その効果に関する臨床試験のエビデンスは乏しいという。  研究グループは、下肢の蜂窩織炎の予防における圧迫療法の有用性を評価する目的で、単一施設での非盲検無作為化試験を実施した(Calvary Public Hospital Bruceの助成による)。

前立腺がん、診断後の肥満は死亡リスクと関連/JCO

 前立腺がん診断後の肥満は、死亡リスクと関連するのか。これまで明らかにされていなかったが、米国・エモリー大学のAlyssa N. Troeschel氏らは大規模コホート研究の結果、限局性前立腺がんなど転移の伴わない前立腺がんの生存者では、診断後の肥満(BMI値30以上)は心血管疾患関連死(CVDM)および全死因死亡の発生頻度が高く、前立腺がん特異的死亡(PCSM)も高まる可能性があることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「診断後の体重増加は、すべての原因および前立腺がんの結果として、より高い死亡率と関連している可能性がある」と述べている。Journal of Clinical Oncology誌2020年6月20日号掲載の報告。

マスク・手袋などのPPEによる皮膚疾患をどう防ぐか

 COVID-19感染流行の長期化に伴い、フェイスマスク・手袋をはじめとした個人用防護服(PPE)の長期着用を要因とした医療者の皮膚疾患が報告されている。こうした皮膚疾患への対応と予防策について、Seemal R. Desai氏らがJournal of the American Academy of Dermatology誌のリサーチレターで提言している。  サージカルマスク・N95マスク・ゴーグル・フェイスシールドなどのPPEは、マスク表面やストラップの摩擦によって耳の後ろや鼻梁、あるいは顔全体に接触皮膚炎を引き起こす、という報告がある。

日本人女性の食事パターンとうつ病との関連

 健康的な食事や地中海式の食事のような質の高い食事パターンは、うつ病の予防と関連しているといわれている。昭和女子大学の小西 香苗氏は、西洋的な食事パターンとは異なる健康的な日本の食事パターンが、日本人女性の抑うつ症状と関連しているかについて、調査を行った。Public Health Nutrition誌オンライン版2020年7月17日号の報告。  長野県の20~72歳の日本人女性1,337例を対象に横断的研究を行った。うつ症状は、米国国立精神衛生研究所でうつ病の疫学研究用に開発された自己評価尺度(CES-D Scale)を用いて評価を行った。食事パターンは、検証された簡便な食事歴アンケートを用いて評価し、56食品の摂取量から成分分析を行った。

日本人COVID-19死亡例、80代と2型糖尿病併存で最多

 メディカル・データ・ビジョン株式会社(以下、MDV)は、自社診療データベースから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の死亡事例を調査。その結果、2020年2月~5月までの期間の死亡者は110例(男性:77例 、女性:33例)で、年代別では80代が4割超を占めていることが明らかになった。また、併存疾患では2型糖尿病が最も多かった。  主な結果は以下のとおり。 ・年代別では、90代が17例(15.5%)、80代が48例(43.6%)、70代が33例(30%)、60代が7例(6.4%)、50代が5例(4.5%)だった。100歳以上と40代から下の年齢層はいなかった。