COVID-19感染流行において、初期と2度目の流行では、患者の属性や臨床的症状、転帰に違いはあるのか。Center for Outcomes Research(米国・ヒューストン)のFarhaan S. Vahidy氏らによる分析が、JAMA誌オンライン版2020年8月13日号のリサーチレターで報告されている。
著者らは、テキサス州ヒューストンの8病院が使うヘルスケアシステム・Houston Methodistの電子カルテから、PCR検査で陽性となったCOVID-19重症患者を抽出したうえで、年齢、性別、人種/民族、併存症、投薬、ICU入院、死亡率を分析した。第1波は2020年3月13日~5月15日、第2波は5月16日~7月7日までとした。2020年7月7日時点におけるCOVID-19の入院患者のユニーク数は2,904例、第1波が774例、第2波が2,130例だった。
第1波と比較した第2波の特徴は以下のとおり。
・若年者が多かった(平均年齢:57.3 vs.59.9歳、p<0.001)。
・ヒスパニック系が多かった(43.3 vs.25.7%、p<0.001)。
・低収入地域の居住者が多かった(ZIPコード別世帯収入中央値:6万765 vs.6万5,805ドル、p<0.001) 。
・糖尿病(32.0 vs.40.3%)、高血圧(38.8 vs.55.3%)、肥満(25.7 vs.33.9%。いずれもp<0.001)などの全身および特定の併存症を有する割合が低かった。
・レムデシビル(22.2 vs.11.2%、p<0.001)、エノキサパリン(72.6 vs.63.8%、p<0.001)の投与例が多かった。
・入院期間中央値は短く(4.8 vs.7.1日、p<0.001)、ICU入院率も低かった(20.1 vs.38.1%、p<0.001)。
・死亡率が低かった(3.5 vs.12.1%、p<0.001)。
著者らは、第2波の流行前に地域の経済活動が再開されたことから、経済活動の主体となるヒスパニック系の若年層に患者層がシフトした可能性がある、と示唆している。
(ケアネット 杉崎 真名)