内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:439

意外にも中高齢層にフィット、糖尿病診療でのスマホアプリ活用

 糖尿病患者の“自己管理ノート”としてのスマホアプリの活用は、医療者・患者双方にとってどのようなメリットがあるのか。2018年3月3日、「第52回 糖尿病学の進歩」において「リアルワールドデータによる糖尿病治療の最前線~PHR(パーソナルヘルスレコード)や検査データを活用した新しい診療の実際と展望~」と題したランチョンセミナーが開催された(共催:株式会社ウェルビー/株式会社エスアールエル)。セミナーでは木村 那智氏(医療法人純正会ソレイユ千種クリニック 院長)が登壇。アプリ「Welbyマイカルテ」を主に2型糖尿病患者への診療に取り入れ約3年が経過した中での、使用感やメリットについて紹介した。

きわめて高いHDL-Cは心血管死リスク? EPOCH-JAPAN

 心血管疾患(CVD)に対するvery highやextremely highレベルの HDLコレステロール(HDL-C)の影響は十分にわかっていない。最近のいくつかの研究では、extremely highレベルのHDL-CのCVDイベントへの悪影響が報告されているが、原因別CVD死亡率との間に有意な関連はみられておらず、またアジア人集団では研究されていない。今回、日本の主要な循環器疫学コホート研究の統合データベース共同研究であるEPOCH-JAPANにおける大規模なプール解析により、extremely highレベルの HDL-Cがアテローム性CVDによる死亡率に悪影響を及ぼすことを示した。Journal of clinical lipidology誌オンライン版2018年2月8日号に掲載。

抗うつ薬は効果があるのか?(解説:岡村毅氏)-822

抗うつ薬に関するネットワークアナリシスである。臨床的には納得できる点が多い。「良薬口に苦し」とはよく言ったもので、いわゆる三環系抗うつ薬であるアミトリプチリンは効果が大きいが、抗コリン作用(口渇、眠気、便秘、不整脈等)が強く、高齢社会においてはますます使いにくい。SSRIの登場によりうつ病の薬物治療が新時代を迎えたころ、華々しく登場したfluoxetineやパロキセチンは、やはりスタディ数が圧倒的に多い。バランスが良いのはセルトラリンやエスシタロプラムであるが、従来いわれていた知見と合致する。

低用量スタチンでの糖尿病リスク~日本のコホート研究

低用量スタチンを服用している日本人の糖尿病新規発症リスクはこれまで検討されていない。今回、秋田大学医学部附属病院薬剤部の加藤 正太郎氏らは、低用量スタチン服用患者を、高力価スタチン群と低力価スタチン群に分けて糖尿病新規発症リスクを評価した。その結果、高力価スタチン群では低力価スタチン群と比べ有意に発症リスクが高かった。さらに、ステロイドや免疫抑制薬との併用で発症リスクが上昇するため、注意が必要と指摘している。Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics誌オンライン版2018年2月26日号に掲載。

早期の認知症発見とコンピュータ使用との関連性の検証

 高齢者が多様なコンピュータを使用する動作から、認知機能に問題がないか、または認知機能低下の初期段階にあるか判断することはできるか、そしてこれらの動作が認知機能低下と関連しているかについて、英国・マンチェスター大学のG. Stringer氏らが調査を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2018年2月9日号の報告。

スタチンによる糖尿病発症の危険因子~日本のPMSデータ

 スタチン使用と糖尿病や高血糖症リスクの増加との関連について、慶應義塾大学薬学部の橋口 正行氏らが、日本の市販後調査(PMS)データベースを使用したコホート内ケースコントロール研究で検討した。その結果、脂肪肝および高尿酸血症を併存している患者で、スタチン使用により糖尿病や高血糖症の発症が増加する可能性が示唆された。Clinical Pharmacology in Drug Development誌オンライン版2018年2月20日号に掲載。

抗うつ薬21種の有効性と忍容性を検討~522試験のメタ解析/Lancet

 うつ病(大うつ病性障害)成人患者において、検討した21種の抗うつ薬は、すべてプラセボより有効であることが確認された。ただし、プラセボに対するオッズ比は有効性が2.13~1.37、忍容性(中止率)が0.84~1.30と幅があった。英国・オックスフォード大学のAndrea Cipriani氏らが、これまでに実施された抗うつ薬21種に関する比較臨床試験計522件のシステマティックレビューとメタ解析で明らかにした。うつ病は、世界的に最も頻度が高く、疾病負荷が大きな、医療費がかかる精神障害の1つで、一般的に心理学的介入よりも抗うつ薬による治療が行われている。新規抗うつ薬の増加に伴い、個々の患者に最善の治療薬を選択するためのエビデンスが必要とされていた。著者は、「今回の結果は、エビデンスに基づいた治療を行ううえで患者と医師にとって重要なものであり、ガイドラインや医療政策の策定においてもさまざまな抗うつ薬の相対的なメリットを参照すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版、2018年2月21日号掲載の報告。

Real World Evidenceからみたカナグリフロジンの有用性(解説:吉岡成人 氏)-819

ADA(American Diabetes Association)のガイドラインでは心血管リスクを持つ2型糖尿病患者に、SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンやカナグリフロジンの積極的な使用を推奨している。その根拠となる臨床試験は、EMPA-REG OUTCOME試験およびCANVASプログラムである。これらの臨床試験における主要評価項目は心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合イベントの発生率であり、対象となった患者も心血管疾患のハイリスクグループであった。今回紹介するのは、米国における民間の医療データベースを基に、2型糖尿病患者における投与薬剤と心血管イベントについて検討したReal World Evidenceとしてのデータである。