がん検診での過剰検出、人々の許容度は?/BMJ がん検診における「過剰検出」(症状がみられず早期死亡を引き起こすことのないがん病変をスクリーニングで検出と定義)について、一般の人々の受け止め方は事前に与えられる情報(死亡率やベネフィット)で大きく異なることが、英国・オックスフォード大学のAnn Van den Bruel氏らによるサーベイの結果、明らかにされた。乳がん、前立腺がん、腸がんスクリーニングの設定で調べたところ、腸がんスクリーニングでの過剰検出に対する許容度が有意に低かったという。著者は、「スクリーニング案内時に過剰検出の可能性やその影響に関する明確な情報を伝え、人々が情報に基づいた選択(インフォームド・チョイス)ができるようにしなければならない」と指摘している。BMJ誌オンライン版2015年3月4日号掲載の報告より。
FINGER試験:もしあなたが、本当に認知症を予防したいなら・・・(解説:岡村 毅 氏)-321 認知症リスクを持つ1,260人の高齢者を、食事療法・運動療法・認知トレーニング・血管リスクのモニタリングという、多領域にわたる介入群と対照群に無作為に振り分けたところ、介入群では認知機能低下を予防したというフィンランドからの報告である。実に当たり前の結果であるが、一流の論文とは当たり前のことをきちんと示すものだと認識しているので、まさに一流の論文だと思う。
禁煙アプリは本当に効果があるのか? 禁煙志向が高まる昨今、スマートフォンなどからダウンロードできる無料のモバイル禁煙支援アプリが多数開発されている。このアプリは、本当に禁煙の補助手段になりえるのだろうか?禁煙アプリの効果の予備評価結果を紹介する。
スタチンの効果、遺伝子リスクで異なる/Lancet 米国ハーバード・メディカル・スクールのJessica L Mega氏らは、JUPITER、CAREなど5試験の被験者データを分析し、冠動脈疾患の初発と再発両リスクを増大する遺伝子型に基づく遺伝リスクスコアを特定した。また、同スコアが最も高い人でスタチン治療の効果が最も大きいことも明らかにした。これまでの検討で、冠動脈疾患リスクと関連する複数の遺伝子型があることが示されていた。Lancet誌オンライン版2015年3月3日号掲載の報告より。
「骨粗鬆症」予防にはリスク認識が有効 骨粗鬆症は公衆衛生上大きな問題となっているが、そのリスクは過小評価され、患者はきちんとした治療を受けていない場合も多い。骨粗鬆症の予防にリスク認識は必須であるが、どの程度知られているのだろうか。日本人大規模年次調査結果を紹介する。
2011年米国では50万例がC.difficileに感染/NEJM 米国2011年のClostridium difficile (C. difficile)感染症発生者数の推定値は45万3,000人で、そのうち死亡は推定約2万9,000人に上ることが明らかにされた。米国疾病予防管理センター(CDC)のFernanda C. Lessa氏らが、米国10地域について行った調査で明らかにした。NEJM誌2015年2月26日号掲載の報告より。
バレニクリンによる禁煙治療は“優柔不断な喫煙者”の禁煙治療に向いている!(解説:島田 俊夫 氏)-320 最近JAMA誌 2015年2月17日号に報告された、Jon O. Ebbert氏らのバレニクリン(varenicline)禁煙治療に関する無作為臨床試験についてコメントする。
降圧薬に認知症予防効果は期待できるのか 慢性高血圧、とくに中年期の高血圧は、認知機能低下や認知症のリスク増加と関連することが知られている。しかし、降圧薬の予防効果についてはあまり解明されていなかった。フランス・INSERMのLaure Rouch氏らは、システマティックレビューを行い、カルシウム(Ca)拮抗薬やレニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬は認知機能低下および認知症の予防に有効である可能性を示した。ただし、「今回の知見を確認するためには、認知症を主要評価項目としたより長期の無作為化試験が必要」とまとめている。CNS Drugs誌2015年2月号の掲載報告。
糖尿病予防の介入、リスク別が効果的/BMJ 先行研究の無作為化試験で、メトホルミンと生活習慣改善の介入による糖尿病予防プログラムは糖尿病の発症を減少することが示されていたが、その介入効果は糖尿病発症リスクが高い人と低い人では異なることが明らかにされた。米国・ミシガン大学のJeremy B Sussman氏らによる事後分析の結果、メトホルミンの介入効果は高リスクの人に集中してみられること、また生活習慣への介入は両リスクの人にみられるが、四分位範囲で最高リスクの人が最低リスクの人の6倍だった。結果を踏まえて著者は、「予防的治療はリスク層別化をすることで、より効果的に行うことができる」と述べている。BMJ誌オンライン版2015年2月19日号掲載の報告より。
心房細動による脳卒中での寝たきり予防に 提言書 第二版を発表 公益社団法人日本脳卒中協会とバイエル薬品株式会が共同事業として展開する「心房細動による脳卒中を予防するプロジェクト」は3月4日、「脳卒中予防への提言 ―心原性脳塞栓症の制圧を目指して―(第二版)」を発表した。本提言書は、昨年5月に発表した「脳卒中予防への提言─心原性脳塞栓症の制圧を目指すために─初版」で示した提言について、どのように実行が可能なのかを、各地で進む事例を取り上げながら、具体的な実行策を示したもの。