内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:562

食品栄養表示の改善を学会が要望 ~動脈硬化学会が「栄養成分表示に関する要望」について記者会見~

 5月7日、日本動脈硬化学会のプレスセミナーが、日内会館(東京都文京区)にて行われた。日本動脈硬化学会は、4月16日に「栄養成分表示に関する見解ならびに要望」を消費者庁に提出していたが、本セミナーでは要望の詳細と意図が発表された。同学会は、食品栄養表示に、「脂質」に加え、「コレステロール」、「飽和脂肪酸」、「トランス脂肪酸」をただちに追加するよう要望している。

血糖降下に影響が大きいのは?高用量BG薬 vs SU薬―DPP-4阻害薬との3剤併用療法

 シタグリプチン、高用量メトホルミン、グリメピリドの3剤併用療法のうち、血糖降下作用に大きな影響を及ぼすのはスルホニル尿素薬(SU薬)グリメピリドであるということが、あらいクリニック・新井桂子氏らにより明らかになった。著者は「このレジメンは、シタグリプチンと高用量メトホルミンの2剤併用療法では血糖コントロールが十分でない患者に有用だろう」としている。Diabetes Technology Therapy誌2013年4月15日号(オンライン版2013年3月12日号)の報告。

新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染、82例の疫学的特性/NEJM

 中国疾病予防管理センター(CDC)・公衆衛生緊急センターのQun Li氏らは、2013年4月17日時点で入手できた新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染に関する情報を基に解析した疫学的特性についてまとめ、NEJM誌オンライン版2013年4月24日号に予備報告として発表した。その中で著者らは「H7N9ウイルス感染は中国内6地点で確認され、感染確認患者の多くが非常に重篤であった。疫学的な関連性はなかった」と述べたうえで、「ヒト-ヒト感染について2家族集団でルールアウトはできなかったが、7日間の疾患モニタリングで呼吸器症状を呈した患者の濃厚接触者(1.5%)からウイルスは検出されなかった」と報告している。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(90)〕 否定された『減塩パラドックス』―降圧の基本は、やはり減塩。

 食塩摂取と高血圧とは、いわば切っても切れない関係にある。薬剤による降圧療法は日常的に行われているが、各国の高血圧診療ガイドラインでは、薬物療法に先行する生活習慣の改善(life style modification)、なかでも『減塩』の履行・遵守を強く勧めている。高血圧診療における、生活習慣の改善の代名詞が『減塩』であり、日本高血圧学会でも学会をあげて『減塩』に取り組んでいる。たとえば、例年開催される学会のランチは減塩弁当であり、また昨年初めて行われた減塩サミットの共催に名を連ねた。

「かくれ骨粗鬆症」を救うために

 2013年4月23日(火)、日本イーライリリー株式会社開催のセミナーにて、近畿大学医学部奈良病院の宗圓 聰氏(整形外科・リウマチ科)と聖隷浜松病院の森 諭史氏(骨・関節外科)が、原発性骨粗鬆症の診断基準ならびに椎体骨折評価基準の改訂がもたらす積極的な診断・治療の広がりと、臨床に潜む「かくれ骨粗鬆症」の実態について語った。

片頭痛をもつ子ども、乳児疝痛歴の頻度が高い/JAMA

 片頭痛をもつ6~18歳の小児、青少年は、片頭痛のない子どもに比べ乳児疝痛歴を有する割合が有意に高いことが、フランス・ロベール・ドゥブレ病院のSilvia Romanello氏らの検討で明らかとなった。出生後1ヵ月以内の乳児における手のつけられない号泣の原因の多くは疝痛で、一般に疼痛症候群とみなされている。一方、子どもの頭痛の主な原因に片頭痛があるが、乳児疝痛とその後の片頭痛発症の関連は知られていないという。JAMA誌2013年4月17日号掲載の報告。

注射時間を問わず一定の有効性と安全性―持効型インスリン デグルデク

 従来の基礎インスリンは注射時間の制限があったが、1日1回投与のインスリン デグルデク(IDeg、商品名:トレシーバ)は、1日のうちどのタイミングで注射しても有効性と安全性を損なうことなく、良好な血糖コントロールが可能であることがベルギー・ルーベン大学Chantal Mathieu氏らの報告で明らかになった。患者さん一人ひとりの多様なニーズに合わせて注射時間を調整できるため、基礎インスリンのアドヒアランス向上につながると考えられる。The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌2013年3月号(オンライン版2013年2月7日号)の報告。

パートナーによる暴力、プライマリ・ケア医のカウンセリングは有効か?/Lancet

 親密なパートナーからの暴力(IPV)を受ける女性に対するプライマリ・ケア医による簡易カウンセリングは、女性のQOLや心の健康に良好な影響を及ぼさないものの、抑うつ状態の改善がみられたことが、オーストラリア・メルボルン大学のKelsey Hegarty氏らが進めるWEAVE試験の初期結果で示された。WHOは重大な公衆衛生上の問題であるIPVに対する早期介入の場としてのプライマリ・ケアの重要性を支持しているが、IPVを受けていると判定された女性への支援を目的とする医療的介入の有効性に関するエビデンスは十分ではない。WEAVEプロジェクトは、カウンセリングは短期的な暴力の低減を期待するものではなく、それによって女性が自分は支援されていると認識し、虐待について話し合って安心感を得ることで、自己効力感(self-efficacy)の前向きの変化や、安全対策や行動、心の健康、QOLの改善が促されるとの仮説に基づくものだという。Lancet誌オンライン版2013年4月16日号掲載の報告。

大人も子どもも減塩によるベネフィットがある/BMJ

 世界保健機構(WHO)のNancy J Aburto氏らは、減塩による降圧効果および心血管疾患との関連、さらに血中脂質、カテコールアミン、腎機能の変化にみられる有害反応の可能性について、システマティックレビューとメタ解析を行った。これらに関する過去のメタ解析は方法論の限界や検出力不足が指摘され、さらに一部の研究者から減塩は健康を害する可能性があるといった報告もあり、WHO栄養ガイドライン専門家アドバイザリーグループ栄養・健康サブグループが、減塩と非伝染性疾患との関連を明らかにすることを求められたことによる。BMJ誌オンライン版2013年4月3日号掲載の報告より。