内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:561

脳卒中の国別発症率:貧富の差が発症率の差に/Lancet

 過去20年間の脳卒中の疾患負荷について世界的および各国の状況を調べた結果、年齢標準化した死亡率は世界的に減少した一方で、脳卒中の発症者数、生存者数、関連死、および全身的な疾患負荷(障害調整生命年[DALY]損失)は大きく増大していることが報告された。国別では、高所得国で発生が減少した一方、低・中所得国では発生が増大し、とくに同国では小児~中高年(65歳未満)の増大が顕著であることも明らかにされた。ニュージーランド・オークランド工科大学のValery L Feigin氏らが、世界疾病負担研究(GBD)2010のデータおよび解析手法を基に1990~2010年に発表された研究調査論文119本のデータを分析して明らかにした。GBD 2010では、脳卒中が世界の死亡原因の第2位であることが明らかにされたが、大半の地域の発生率、有病率、死亡率、障害や疫学的傾向については評価されなかった。Lancet誌オンライン版2013年10月24日号掲載の報告より。

骨粗鬆症でない一般住民へのビタミンD補充/Lancet

 骨粗鬆症でない一般住民へのビタミンD補充はベネフィットが少ないことが、ニュージーランド・オークランド大学のIan R Reid氏らのシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。著者は「ビタミンD欠乏症に対する特異的なリスク因子のない一般住民は、骨粗鬆症予防目的でビタミンDを常用する必要がないことが示された」と結論している。Lancet誌オンライン版2013年10月10日号掲載の報告より。

非定型うつ病ではメタボ合併頻度が高い:帝京大学

 抑うつ症状とメタボリックシンドローム(MetS)との関連については依然議論のあるところである。帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座の竹内 武昭氏らは、日本人男性における抑うつ症状とMetSの関連について、非定型うつ病またはそれ以外の大うつ病性障害(MDD)に分けて検討を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌2013年11月号(オンライン版2013年10月23日号)の掲載報告。

インフルエンザワクチン接種者で心血管イベント減少/JAMA

 心血管疾患リスクの高い患者に対するインフルエンザワクチンの接種により、心血管イベントが抑制されることが、カナダ・トロント大学のJacob A Udell氏らの検討で示された。非古典的な心血管リスク因子のうち、気道感染症の原因となるインフルエンザやインフルエンザ様感染が、致死的および非致死的なアテローム血栓性イベントと関連することが指摘されている。また、インフルエンザワクチン接種により心血管イベントが抑制されることが、いくつかの疫学試験で示唆されている。JAMA誌2013年10月23日号掲載の報告。

臨床スコアに基づく抗菌薬処方、症状と抗菌薬使用を抑制/BMJ

 プライマリ・ケアにおいて、レンサ球菌感染を予測する臨床スコアに基づく抗菌薬処方は、症状のコントロールを改善し抗菌薬の使用を減少させることが、英国・サウサンプトン大学のPaul Little氏らが実施したPRISM試験で示された。プライマリ・ケアでは、急性咽頭炎患者のほとんどに抗菌薬が処方されている。抗菌薬使用の可否や薬剤の選定には、迅速抗原検査や臨床スコアが使用されることが多いが、これを支持する強固なエビデンスはこれまでなかったという。BMJ誌オンライン版2013年10月10日号掲載の報告。

成人市中肺炎のリスクとなるライフスタイル・基礎疾患は?

 市中肺炎は、成人、とくに高齢者において高い罹患率および死亡率をもたらす。スペイン・バルセロナ大学のAntoni Torres氏らは、PubMedの構造化検索により、欧州における成人市中肺炎発症率の最新データとライフスタイルや市中肺炎の危険因子に関するデータを同定し、成人市中肺炎のリスク増加と喫煙などのライフスタイル因子や基礎疾患との関連を検討した。Thorax誌2013年11月号に掲載報告。

肥満でも痩せすぎでも心血管疾患死、増大-東アジア人84万人のデータ-/BMJ

 東アジア人では、BMIと心血管疾患死リスクとの関連は、BMI値が高すぎる場合も低すぎる場合も同リスクが高まる、U型カーブの関連を示すことが明らかにされた。米国・ニューヨーク大学のYu Chen氏らが、東・南アジア人約112万人を対象としたアジアコホート連合(Asia Cohort Consortium)のデータを解析して明らかにしたもので、BMJ誌オンライン版2013年10月1日号で発表した。なお南アジア人では同様の傾向はみられず、BMI高値と心血管疾患死リスクの関連は弱かったという。