内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:561

血圧と12の心血管疾患の関連が明らかに~最新の研究より/Lancet

 30歳以上(最高95歳)の血圧値と12の心血管疾患との関連を分析した結果、どの年齢でも強い相関性が認められ、現状の高血圧治療戦略では生涯負荷が大きいことが明らかにされた。英国・Farr Institute of Health Informatics ResearchのEleni Rapsomaniki氏らが、同国プライマリ・ケア登録患者から抽出した125万例のデータを分析して報告した。著者は「今回の結果は、新たな降圧治療戦略の必要性を強調するものであり、その評価のための無作為化試験をデザインする際の有用な情報になると思われる」とまとめている。本報告は、血圧と心血管疾患との関連に関する最新の集団比較研究である。Lancet誌2014年5月31日号掲載の報告より。

PCSK9阻害薬は新たなコレステロール治療薬となりうるのか?(解説:平山 篤志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(216)より-

LDLコレステロール(LDL-C)が心血管イベントの重要なリスクファクターであること、そしてスタチンによるLDL-C値の低下に伴いイベントの発生率が減少したことで、ASCVD(Atherosclerotic Cardiovascular Disease)においてLDL-C値をより低くコントロールすることが目標とされた。

ビタミンD補充でがん発症率は減少せず~メタ解析より

 これまでの観察研究で、ビタミンDは、がんの発症率に対する効果よりも死亡率に対する効果のほうが大きいことが示唆されている。しかし、ビタミンD補充に関する既存の無作為化比較試験では、1次エンドポイントががん発症率や死亡率ではなかったため、関連性の検討が限られていた。そこで、米・ハーバード大学公衆衛生学部N Keum氏らは、ビタミンD補充とすべてのがんの発症率および同死亡率の無作為化比較試験のメタ解析を行い、British Journal of Cancer誌オンライン版2014年6月10日号に報告した。

タバコの煙を吸い込む喫煙者の肺がんリスクは3.3倍:わが国の大規模症例対照研究

 欧州の集団では、いくつかの研究でタバコの煙の吸入が肺がんリスクの増加と関連していることが示されている。愛知県がんセンター研究所の福本 紘一氏らは、日本の集団におけるタバコの煙の吸入と肺がんリスクとの関係を明らかにするために、大規模な症例対照研究を実施した。その結果、日本の集団においても、累積喫煙量にかかわらず、タバコの煙を吸い込むことが肺がんリスクであることが示唆された。European Journal of Cancer Prevention誌オンライン版2014年6月6日号に掲載。

「SGLT2阻害薬の適正使用を呼びかけるRecommendation」を公表

 日本糖尿病学会「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」は、SGLT2阻害薬の発売開始から約1ヵ月間の副作用報告を受けたことを踏まえ、6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用を呼びかけるRecommendation」を公表した。  発表によると、報告された副作用として、当初予想された尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹など重篤な副作用が発症しているとのことである。

インフルエンザワクチン接種、無針注射器の時代に?/Lancet

 インフルエンザワクチン接種について、新たに開発された無針ジェット式注射器「Stratis」による接種と、通常の有針注射器による接種を比較した結果、免疫原性に関して前者の非劣性が示されたことが報告された。同注射器を開発した米国・PharmaJet社のLinda McAllister氏らによる非劣性無作為化試験の結果で、安全性プロファイルは臨床的に許容可能なものだった。接種部位反応が通常注射器を使用した場合よりも高率だったが、著者は「Stratisは、三価インフルエンザワクチンの代替接種法となりうる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年5月30日号掲載の報告より。

機能性ディスペプシアの診療ガイドライン~プライマリケアでの対応も掲載

 今年4月の日本消化器病学会総会において、「機能性消化管疾患診療ガイドライン-機能性ディスペプシア(FD)」(日本消化器病学会編)が発表された。6月6日に開催されたメディアセミナー(ゼリア新薬工業・アステラス製薬共催)では、本ガイドラインのポイントや、国内で唯一FDに適応を持つアコファイド(一般名:アコチアミド)の有用性について、兵庫医科大学内科学消化管科 主任教授 三輪 洋人氏が講演した。

健康的なライフスタイルで脳卒中発症が3分の2に

 独・ハイデルベルク大学のKaja Tikk氏らは、欧州の前向き研究であるがん栄養調査(EPIC)のハイデルベルクコホートを分析し、ライフスタイルでの脳卒中の主な危険因子について、中年男女における一次予防の可能性を評価した。その結果、過体重、喫煙、多量飲酒、不健康な食事、運動不足を避けることが脳卒中の強力な一次予防になる可能性が確認された。Stroke誌オンライン版2014年5月29日号に掲載。