神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:13

マヨネーズをオリーブ油にすると認知症死亡が14%低下

 オリーブ油の摂取と認知症関連死亡との関連はわかっていない。今回、米国・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのAnne-Julie Tessier氏らが、9万人超の前向きコホート研究を実施したところ、オリーブ油を1日7g超摂取する人は、まったく/ほとんど摂取しない人と比べて、食事の質によらず認知症関連死亡リスクが3割近く低いことがわかった。また、1日5gのマヨネーズを同量のオリーブ油に置き換えると、認知症関連死亡リスクが14%低下すると推定された。JAMA Network Open誌2024年5月6日号に掲載。

ゴルフや水泳がALSリスクを上昇させる?

 ゴルフ、ガーデニングや庭仕事、木工、狩猟などの余暇活動は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症リスク上昇と関連している可能性があるという研究結果が、「Journal of the Neurological Sciences」2月15日号に掲載された。  米ミシガン大学アナーバー校のStephen A. Goutman氏らは、ALS患者400人と健康対照者287人を対象に、趣味、運動、余暇活動に関連するリスクを調査した。  解析の結果、ALS診断の5年前にゴルフ(オッズ比3.48)、レクリエーションダンス(同2.00)、ガーデニングや庭仕事(同1.71)をしていたことが、ALSに関連するリスクであることが分かった。リスクと関連したその他の曝露には、個人または家族での木工活動参加(同1.76、2.21)、個人での狩猟や射撃への参加(同1.89)があった。ALSの生存および発症に関連する曝露はなかった。発症年齢の早さは、診断の5年前の水泳(3.86歳)および重量挙げ(3.83歳)と関連していた。

難治てんかんの治療、新たな標的を発見か

 難治てんかん患者に対し、海馬のfasciola cinereumと呼ばれる部位をほぼ全て摘出することで、てんかん発作が83%減少したとする研究結果を、米スタンフォード大学医学部脳神経外科・神経科学教授のIvan Soltesz氏らが、「Nature Medicine」に4月17日発表した。  この結果は、1カ月に1〜2回てんかん発作を起こしていた患者の発作回数が3カ月に1回程度に減ったことを意味する。研究グループは、「われわれの結果は、難治てんかん患者に対しては、一般的な脳の標的部位とともにfasciola cinereumも治療ターゲットにする必要性があることを示唆するものだ」との見方を示している。Soltesz氏は、「海馬は、脳の中では非常によく研究されている部位ではあるが、fasciola cinereumについて知られていることは驚くほど少ない」と話す。

日本人における果物や野菜の摂取と認知症リスク~JPHC研究

 果物や野菜には、ビタミンC、α-カロテン、β-カロテンなどの抗酸化ビタミンが豊富に含まれている。果物や野菜の摂取が認知症リスクに及ぼす影響を評価したプロスペクティブ観察研究はほとんどなく、結果には一貫性が認められていない。筑波大学の岸田 里恵氏らは、日本人における果物や野菜の摂取と認知症リスクとの関連を調査した。The Journal of Nutrition誌オンライン版2024年4月8日号の報告。  2000~03年(ベースライン時)に50~79歳の4万2,643例を対象としたJPHCプロスペクティブ研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)においてフォローアップ調査を実施した。食事による果物および野菜の摂取量、関連する抗酸化ビタミン(α-カロテン、β-カロテン、ビタミンC)の摂取量は、食事摂取頻度調査票(FFQ)を用いて収集した。認知障害の診断は、2006~16年の介護保険制度における認知症に係る日常生活障害の状況に基づいて行った。認知障害に関するハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、潜在的な交絡因子で調整した後、エリア層別Cox比例ハザードモデルを用いて推定した。摂取量の最低四分位と比較した最高四分位の多変量HRを算出した。

後期早産期の出生前ステロイド、6歳以降の神経発達に影響なし/JAMA

 後期早産リスクを有する母親への出生前コルチコステロイド投与は、6歳以上の小児期の神経発達アウトカムに有害な影響を及ぼさない。米国・コロンビア大学のCynthia Gyamfi-Bannerman氏らが、2010~15年に国立小児保健発達研究所Maternal-Fetal Medicine Units(MFMU)ネットワークの17施設で実施された二重盲検プラセボ対照試験「Antenatal Late Preterm Steroids(ALPS)試験」に参加した母親から生まれた児に関する、前向き追跡試験の結果を報告した。ALPS試験は、妊娠34~36週における出生前のベタメタゾン投与が早産児の短期呼吸器合併症の発症率を有意に低下させることを明らかにし、米国における臨床実践を変えた。しかし、ベタメタゾン投与後に新生児低血糖症のリスクが増加することも認められており、長期的な神経発達アウトカムへの影響に関心が寄せられていた。JAMA誌オンライン版2024年4月24日号掲載の報告。

レビー小体型認知症における抗コリン負荷と長期認知機能低下との関連

 トルコ・University of Health SciencesのCemile Ozsurekci氏らは、レビー小体型認知症(DLB)患者における1年間のフォローアップ期間中の抗コリン負荷(ACB)と認知機能変化との関連を調査するため、コホート研究を実施した。Clinical Neuropharmacology誌2024年3・4月号の報告。  対象には、DLBと診断され、tertiary geriatric outpatient clinicに入院した患者を含めた。認知機能、機能的パフォーマンス、栄養状態の評価は、ベースライン時、フォローアップ期間中の6ヵ月目、12ヵ月目に評価した。ACBを評価し、ACB≧1とACB=0に層別化した。

慢性疾患治療薬のサロゲートマーカーでの効果判定、エビデンスの強さは?/JAMA

 非腫瘍性慢性疾患の治療薬に関して、米国食品医薬品局(FDA)の承認を裏付ける臨床試験の主要エンドポイントとして使用された代替マーカー(サロゲートマーカー)の半数以上が、この代替マーカーを用いて評価した治療効果と臨床アウトカムとの関連を検討したメタ解析が公表されておらず、少なくとも1つのメタ解析を確認したサロゲートマーカーも、その多くが臨床アウトカムとの関連について高い強度のエビデンスを欠いていることが、米国・エモリー大学のJoshua D. Wallach氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年4月22日号で報告された。

アルツハイマー病に対するレカネマブ10mg/kg隔週投与の有効性と安全性~メタ解析

 アルツハイマー病は、60歳以上で多くみられ、認知症の中で最も多く、記憶力や認知機能を著しく損なう疾患である。世界におけるアルツハイマー病の患者数は2050年までに3倍になると予想されており、効果的な介入を開発することは急務とされる。アミロイドβを標的としたモノクローナル抗体であるレカネマブは、アルツハイマー病の進行抑制に期待される薬剤の1つである。ポジティブな臨床試験での結果は、患者に希望を与えており、疾患の理解と介入の可能性を拡大させるために進行中の研究を加速させる。エジプト・アレクサンドリア大学のKarim Abdelazim氏らは、知見のアップデートのために、レカネマブ10mg/kgにおける有効性および安全性に焦点を当て、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Neurological Sciences誌オンライン版2024年4月3日号の報告。

認知症患者の抗精神病薬使用、複数の有害アウトカムと関連/BMJ

 50歳以上の認知症患者において、抗精神病薬の使用は非使用と比較し脳卒中、静脈血栓塞栓症、心筋梗塞、心不全、骨折、肺炎および急性腎障害のリスク増加と関連していることが、英国・マンチェスター大学のPearl L. H. Mok氏らによるマッチドコホート研究で示された。有害アウトカムの範囲は、これまで規制当局が注意喚起を行っていたものより広く、リスクが最も高かったのは治療開始直後であったという。BMJ誌2024年4月17日号掲載の報告。  検討には、英国のプライマリケア研究データベースのClinical Practice Research Datalink(CPRD)AurumおよびGOLDのデータが用いられた。これらのデータベースは、入院、死亡、社会的格差など他のデータと連携している。

新年度、あなたの医局は増えたor減った?/医師1,000人アンケート

 新年度がはじまり、新人を迎えた職場も多い。医師の就職を語るうえで欠かせないものに「医局」の存在がある。ケアネット会員医師を対象に、医局への所属状況や選択理由、最近の医局員数の増減などについて、30~50代・200床以上の医療機関の勤務者を対象とし、オンラインのアンケート形式で聞いた。  「Q1. 現在、医局に所属していますか?」の問いに、「はい」と答えたのは73%。200床以上という中規模以上の病院に勤務している医師であっても、3割近くが医局に所属していない現状が明らかになった。年代別にみると30代は8割近くが医局に所属しているが、年代が高くなるにつれ所属者の割合が減り、50代は7割だった。