神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

中強度〜高強度の身体活動は脳の健康に有益

 体を動かすことは、脳に良い影響を与えるようだ。新たな研究で、中強度から高強度の身体活動でエネルギーを消費する人では、エネルギーの消費量が少ない人に比べて認知症、脳卒中、不安症(不安障害)、うつ病、睡眠障害を発症するリスクの低いことが明らかになった。復旦大学(中国)のJia-Yi Wu氏とJin-Tai Yu氏によるこの研究結果は、米国神経学会年次総会(AAN 2025、4月5〜9日、米サンディエゴ)で発表予定。  この研究でWu氏らは、7万3,411人の参加者(平均年齢56.08±7.82歳、女性55.72%)を対象に、活動量計で測定した7日間分の身体活動量および座位行動と精神神経疾患との関連を検討した。身体活動量は代謝当量(METs)として定量化し、3METs以上を中強度〜高強度の身体活動と見なした。例えば、ウォーキングや掃除などの中強度の身体活動は約3METsの消費、サイクリングなどのより激しい身体活動は、速度にもよるが、約6METsの消費に相当する。

レム睡眠潜時の増長がアルツハイマー病のマーカーとなる可能性

 レム睡眠潜時の増長は、アルツハイマー病およびアルツハイマー病関連認知症(AD/ADRD)のマーカーとなり得るという研究結果が、「Alzheimer's & Dementia」に1月27日掲載された。  中日友好病院(中国)のJiangli Jin氏らは、睡眠構造とAD/ADRDとの関係を調査するため、成人128人(アルツハイマー病64人、軽度認知障害41人、正常認知機能23人)を登録した。対象者は睡眠ポリグラフ検査、アミロイドβ(Aβ)PET検査、血漿バイオマーカー分析(p-tau181、ニューロフィラメント軽鎖、脳由来神経栄養因子〔BDNF〕を含む)を受けた。

ベンゾジアゼピンによる治療はアルツハイマー病の重大なリスク因子なのか

 アルツハイマー病は、最も頻度の高い認知症である。ベンゾジアゼピン(BZD)は、不眠症やその他の睡眠障害の治療に最も多く使用されている治療薬であるが、BZDの長期的な使用は、認知機能低下と関連していることがいくつかの報告で示唆されている。ポルトガル・University of Beira InteriorのFilipa Sofia Trigo氏らは、BZDによる治療とアルツハイマー病発症との関連性を評価するため、システマティックレビューを実施した。NeuroSci誌2025年2月1日号の報告。  対象研究は、MEDLINE、Embaseのデータベースよりシステマティックに検索し、結果のナラティブ統合は、PRISMA-P 2020方法論に基づき実施した。

一人暮らしの認知症者は疎外されやすい?

 認知症者に対する社会的距離は、認知症の行動および心理的症状(BPSD)を有する一人暮らしの患者でより大きくなることが示唆された。この研究は東京都健康長寿医療センター研究所の井藤佳恵氏らによるもので、研究結果の詳細は「PLOS One」に1月22日掲載された。  認知症者とその介護者は、疾患へのスティグマ(「先入観に基づいてレッテルをはり、偏見をもち、差別する」という、一連の心と行動)による社会的排除に直面している。スティグマは、病気そのものが引き起こす苦痛よりもさらに大きな苦痛をもたらすことがあり、深刻な人権侵害であると言われている。

ビタミンD補充、多発性硬化症の疾患活動性を抑制するか/JAMA

 ビタミンD欠乏は多発性硬化症(MS)のリスク因子であり、疾患活動性上昇のリスクと関連しているが、補充による有益性のデータは相反している。フランス・モンペリエ大学のEric Thouvenot氏らD-Lay MS Investigatorsは、プラセボと比較して高用量ビタミンD(コレカルシフェロール10万IU、2週ごと)は、clinically isolated syndrome(CIS)および再発寛解型MS(RRMS)の疾患活動性を有意に低下させることを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2025年3月10日号に掲載された。  D-Lay MS試験は、高用量コレカルシフェロール単剤療法がCIS患者の疾患活動性を抑制するか評価することを目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2013年7月~2020年12月にフランスの36のMS施設で患者を登録した(French Ministry of Healthの助成を受けた)。

認知症予防、どのくらいの聴力低下から補聴器を使ったほうがよいか

 難聴が中年期における認知症の予防可能な最大のリスク因子の1つであると報告され、注目を集めているものの、どの程度の難聴になったら認知症予防として補聴器を使うべきなのかは明らかになっていない。慶應義塾大学の西山 崇経氏らは、55歳以上の補聴器の装用経験がない難聴者のグループにおいて、聴力閾値と認知機能検査結果が負の相関関係を示し、4つの音の高さの聴力閾値の平均値が38.75dB HLを超えた場合に、認知症のリスクとなりうることを明らかにした。NPJ Aging誌2025年2月24日号掲載の報告。

パーキンソン病患者数、30年後には約2倍か/BMJ

 パーキンソン病の患者数は、2050年には2021年の2.1倍となる2,520万人に達し、この増加傾向は世界疾病負担研究(Global Burden of Disease:GBD)の地域分類で規定する東アジア地域の、社会人口統計学的指数(SDI)が中程度の国の男性でより顕著になると予測されることを、中国・首都医科大学のDongning Su氏らがGBD 2021のデータを解析し報告した。著者は、「パーキンソン病は、2050年までに患者とその家族、介護者、地域、そして社会にとって大きな公衆衛生上の課題となると予測され、今回の結果はヘルスリサーチの推進、政策決定への情報提供およびリソース配分の一助となるだろう」とまとめている。BMJ誌2025年3月5日号掲載の報告。

ビタミンBが影響を及ぼす神経精神疾患〜メタ解析

 最近、食事や栄養が身体的および精神的な健康にどのような影響を及ぼすかが、注目されている。多くの研究において、ビタミンBが神経精神疾患に潜在的な影響を及ぼすことが示唆されているが、ビタミンBと神経精神疾患との関連における因果関係は不明である。中国・Shaoxing Seventh People's HospitalのMengfei Ye氏らは、ビタミンBと神経精神疾患との関連を明らかにするため、メンデルランダム化(MR)メタ解析を実施した。Neuroscience and Biobehavioral Reviews誌2025年3月号の報告。  本MRメタ解析は、これまでのMR研究、UK Biobank、FinnGenのデータを用いて行った。ビタミンB(VB6、VB12、葉酸)と神経精神疾患との関連を調査した。

抗うつ薬は認知症患者の認知機能低下を加速させる?

 不安、抑うつ、攻撃性、不眠などの症状がある認知症患者に対しては、抗うつ薬が処方されることが多い。しかし、新たな研究で、抗うつ薬の使用は認知機能の低下速度を速める可能性があり、特に、高用量の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の使用は、重度の認知症や骨折、あらゆる原因による死亡(全死亡)のリスク上昇と関連することが明らかにされた。カロリンスカ研究所(スウェーデン)神経学分野のSara Garcia-Ptacek氏らによるこの研究結果は、「BMC Medicine」に2月25日掲載された。  この研究でGarcia-Ptacek氏らは、2007年5月から2018年10月までの間にスウェーデン認知・認知症レジストリ(Swedish Registry for Cognitive/Dementia Disorders-;SveDem)に登録された認知症患者1万8,740人(女性1万205人、平均年齢78.2歳)を対象に、抗うつ薬の使用と認知機能低下との関連を検討した。さらに、抗うつ薬のクラス、具体的な薬剤、用量ごとの重度認知症、骨折、死亡のリスクを推定した。

緑茶の認知機能予防効果、アジアと欧州で違いあり

 世界中で広く消費されているお茶に関する複数の研究において、緑茶には認知機能低下に対する潜在的な保護効果があることが示唆されている。この効果は、緑茶に含まれるポリフェノールと神経保護特性に起因すると考えられている。Shiyao Zhou氏らは、緑茶の摂取と認知機能低下リスクとの関連に関する最近の観察研究をシステマティックにレビューし、メタ解析を行った。Neuroepidemiology誌オンライン版2025年2月13日号の報告。  2004年9月〜2024年9月に公表された観察研究を、PubMed、Embase、Web of Science、Cochrane Libraryよりシステマティックに検索した。緑茶の摂取と認知機能低下との関連について、オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。さらに、サブグループ解析、異質性評価、出版バイアス評価、感度分析を行った。