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2026-06-29 ~ 2026-06-30

2026/06/30

再発・難治性多発性骨髄腫、トアルクエタマブ+ダラツムマブ±ポマリドミドでPFS延長/NEJM

ジャーナル四天王

 トアルクエタマブは、骨髄腫細胞表面に発現するGタンパク質共役型受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D)と、T細胞上に発現するCD3受容体を標的とする二重特異性抗体。本薬は、正常B細胞への作用は限定的であり、管理可能な感染症プロファイルを示すため併用療法への組み込みが可能とされる。イタリア・トリノ大学のRoberto Mina氏らMonumenTAL-3 Investigatorsは「MonumenTAL-3試験」において、既治療の再発・難治性多発性骨髄腫患者では、トアルクエタマブ+ダラツムマブ+ポマリドミド(Tal-DP)およびトアルクエタマブ+ダラツムマブ(Tal-D)はダラツムマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(DPd)による標準治療と比較して、2年の時点での無増悪生存率が有意に優れ、全生存率も良好であることを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年6月13日号に掲載された。

monarchE試験、日本人サブグループの長期解析結果/日本乳癌学会

医療一般

 HR+/HER2-でリンパ節転移陽性の高リスク早期乳がんに対する術後内分泌療法(ET)へのアベマシクリブ追加の有用性を検討したmonarchE試験では、浸潤疾患生存期間(iDFS)、無遠隔再発生存期間(DRFS)および全生存期間(OS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示され、アベマシクリブ併用の内分泌療法は再発抑制のための重要な標準治療の1つとして推奨されている。今回、同試験に登録された日本人患者における長期(追跡期間中央値76ヵ月)の有効性および安全性を評価したサブグループ解析の結果を、中山 貴寛氏(大阪国際がんセンター)が第34回日本乳癌学会学術総会で発表した。

統合失調症における薬物治療反応と発達障害の遺伝的リスクとの関連

医療一般

 統合失調症は、遺伝性の高い神経精神疾患である。そのゲノム構造は、注意欠如多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達障害のゲノム構造と重複することが報告されている。しかし、ADHDおよびASDのゲノムリスクが統合失調症症状に及ぼす影響は依然として不明であった。東北大学の宮原 一総氏らは、統合失調症における抗精神病薬の治療反応性に神経発達障害の遺伝的リスクが影響するかを検討するため、死後脳を用いてゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。Frontiers in Psychiatry誌2026年4月27日号の報告。

進行・再発子宮体がん、ペムブロリズマブ+化学療法の長期OS結果(NRG-GY018)/ASCO2026

医療一般

 進行または再発の子宮体がんに対し、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法はミスマッチ修復機能欠損(dMMR)およびミスマッチ修復機能正常(pMMR)のいずれのコホートにおいても、標準的な化学療法単独と比較して長期的な全生存期間(OS)の改善効果を維持した。  第III相無作為化比較試験NRG-GY018の長期追跡によるOSおよび後治療に関する解析結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)において、Ramez N. Eskander氏(米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校)が発表した。

グルコサミンがアルツハイマー病の進行を加速させる可能性

医療一般

 アルツハイマー病(AD)では広範な代謝異常が観察されるものの、どの代謝経路が病態進行を直接駆動しているのか、その分子メカニズムは十分に解明されていない。米国・フロリダ大学のTara R. Hawkinson氏らの研究グループは、ヒト死後脳およびADマウスを用いた解析から、脳内における過剰糖鎖付加(ハイパーグリコシル化)が病態進行の直接的な駆動因子(ドライバー)であることを突き止めた。さらに、電子カルテデータベースの解析から、関節の健康のためのサプリメントとして広く普及するグルコサミンの使用が、ADの進行加速や死亡リスク上昇に関連している可能性が示唆された。Nature Metabolism誌オンライン版2026年6月9日号に掲載。

がん関連VTEのDOACによる出血リスク、新たな予測モデルが有用か

医療一般

 直接経口抗凝固薬(DOAC)治療を受けるがん関連静脈血栓塞栓症(VTE)患者を対象に開発された出血リスク予測モデル「ONCO-DOAC BLEEDスコア」は、既存の出血リスクスコアと比較して大出血リスクを良好に層別化できることが示された。本結果は京都府立医科大学循環器内科の長井 智之氏や中西 直彦氏ら(COMMAND VTE Registry-2)が報告し、JACC:CardioOncology誌2026年6月号に掲載された。  本研究グループは、国内31施設において2015年1月~2020年8月の期間に、急性の症候性の肺塞栓症および深部静脈血栓症と診断された患者5,197例を登録した多施設共同の観察研究「COMMAND VTE Registry-2」のデータを使用。

美容目的でのチルゼパチド使用に伴う正常血糖ケトアシドーシス

医療一般

糖尿病や肥満のない若年女性が、美容目的でチルゼパチドを使用した後、正常血糖ケトアシドーシスを来したという症例報告がなされた。監物 諒相氏、沖田 朋憲氏(大阪けいさつ病院)らが、JCEM Case Reports誌2026年4月8日号で報告した。監物氏、沖田氏らは、チルゼパチド使用後の食欲低下や重度の消化器症状に伴う急性のカロリー不足が、ケトアシドーシス発症に関与した可能性を指摘し、美容目的の適応外使用に注意を促している。  治療として、生理食塩水による補液の後、ブドウ糖含有輸液、電解質補正、持続静注インスリンが行われた。

2026/06/29

MSSA菌血症、セファゾリンは抗ブドウ球菌ペニシリンに非劣性/NEJM

ジャーナル四天王

 メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)菌血症患者において、90日死亡率に関して抗ブドウ球菌ペニシリン(flucloxacillinまたはクロキサシリン)に対するセファゾリンの非劣性が認められ、急性腎障害の発生率はセファゾリンで低かった。カナダ・マギル大学のTodd C. Lee氏らStaphylococcus aureus Network Adaptive Platform(SNAP)Trial Groupが、多施設共同無作為化非盲検非劣性試験「SNAP試験」の結果を報告した。黄色ブドウ球菌菌血症は死亡率が高い。MSSA菌血症の治療において、セファゾリンと抗ブドウ球菌ペニシリンのどちらが望ましいかは明らかになっていなかった。NEJM誌2026年6月18日号掲載の報告。

コントロール不良な2型DM、orforglipron vs.ダパグリフロジン/Lancet

ジャーナル四天王

 メトホルミンでコントロール不十分な2型糖尿病患者において、orforglipron 3mg、12mgおよび36mgは、ダパグリフロジン10mgに対して、ベースラインから40週時のHbA1cの平均変化量に関して非劣性および優越性を示した。米国・Consano Clinical ResearchのMichelle Welch氏らACHIEVE-2 Trial Investigatorsが行った第III相多施設共同非盲検(部分盲検)無作為化試験「ACHIEVE-2試験」の結果で示された。安全性プロファイルは、有害事象による試験中止率の高さを含め、GLP-1受容体作動薬クラスの既知の報告と一致していた。著者は、「orforglipronは2型糖尿病の有効な経口治療薬として、選択肢の1つとなりうることが裏付けられた」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年6月8日号掲載の報告。

関節リウマチでは効かなかったIL-17阻害薬がリウマチ性多発筋痛症で有効―REPLENISH試験(解説:金子 開知 氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

リウマチ性多発筋痛症は高齢者に多くみられ、肩や股関節周囲の強い疼痛と朝のこわばりを特徴とする。グルココルチコイドが著効する一方で再燃率が高く、長期グルココルチコイド投与による感染症、骨粗鬆症、糖尿病などの有害事象が大きな課題となっている。REPLENISH試験では、再燃したリウマチ性多発筋痛症患者381例を対象にIL-17A阻害薬セクキヌマブの有効性および安全性を評価した。その結果、52週時の持続寛解率はセクキヌマブ群で約41%とプラセボ群(20%)の約2倍に達し、累積グルココルチコイド投与量も有意に減少した。感染症や過敏症反応はセクキヌマブ群でやや多く認められたものの、安全性に大きな問題は認められなかった。

アイトラッキング式認知機能評価プログラム「ミレボ」の実臨床における有用性評価

医療一般

 認知症の早期発見やスクリーニングにおいて、多忙な日常診療のなかで効率的かつ客観的に実施できる評価ツールの開発が望まれている。2025年、アイトラッキング技術を用いた神経心理検査用プログラム「ミレボ」が、初の保険適用を有する認知症領域のプログラム医療機器(SaMD)として日本国内で承認された。川崎医科大学高齢者医療センターの和田 健二氏らは、同センターのもの忘れ外来を受診した患者を対象に、ミレボと従来の標準的な神経心理検査であるミニメンタルステート検査(MMSE)および改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)のスコアとの関連性および認知症診断精度を評価するため、本研究を実施した。Neurology and Clinical Neuroscience誌2026年5月号の報告。

CKD合併糖尿病へのセマグルチド、心血管疾患の既往を問わず腎予後を改善(FLOW)

医療一般

 2型糖尿病と慢性腎臓病(CKD)を併発している患者を対象に、GLP-1受容体作動薬セマグルチドの腎機能への影響を評価したFLOW試験のサブグループ解析の結果、セマグルチドは既往の心血管疾患や将来的なリスクにかかわらず、腎予後および生存を一貫して改善したことが、米国・University of Washington School of MedicineのKatherine R. Tuttle氏らによって示された。Journal of the American College of Cardiology誌2026年6月2日号掲載の報告。  FLOW試験は、2型糖尿病とCKDを有する患者集団において、セマグルチドの腎機能障害進行への影響を検討した二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験。

プラチナ感受性再発卵巣がんに対するmirvetuximab soravtansine+カルボプラチンの結果(MIROVA/AGO-OVAR 2.34)/ASCO2026

医療一般

 プラチナ感受性進行再発卵巣がんに対し、新たな抗体薬物複合体(ADC)であるmirvetuximab soravtansine(MIRV)とカルボプラチンの併用療法が高い抗腫瘍効果を示した。しかし、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長は示されなかった。  プラチナ感受性進行再発卵巣がんに対し、カルボプラチン・MIRV併用療法のfeasibilityと有効性を評価する国際共同無作為化第II相試験の初回解析結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表された。発表者はPhilipp Harter氏(ドイツ・Ev. Kliniken Essen-Mitte)。

日本人の心筋梗塞と大動脈解離、5年生存の違いは?

医療一般

 急性心筋梗塞(AMI)と急性大動脈解離(AAD)は、いずれも死亡リスクの高い循環器疾患であるが、同一地域の集団で両疾患の長期予後を直接比較した研究は限られている。そこで、澤山 裕一氏(滋賀医科大学)らの研究グループは、滋賀脳卒中・循環器病登録研究のデータを用いて、AMIとAADの死亡率を比較した。その結果、AAD患者ではAMI患者より5年死亡率および心血管死亡率が高かった。しかし、この差は主として発症早期の死亡によるものであり、発症後30日生存した患者集団の比較において、心血管死亡リスクには差が認められなかった。本研究結果は、European Heart Journal Open誌2026年5月30日号に掲載された。

ガソリンスタンドの近くに住む子どもはがんリスク上昇の可能性

医療一般

 ガソリンスタンドの近くに住む子どもは、白血病やその他の小児がんを発症するリスクが高い可能性のあることが報告された。モントリオール大学(カナダ)のStephane Buteau氏らの研究の結果であり、詳細は「Environmental Pollution」に4月1日掲載された。  この研究から、自宅からガソリンスタンドまでの距離が近いほど、子どものがんリスクが高い傾向が示された。統計学的には明確な有意差は認められなかったものの、100m以内ではリスクの上昇が認められた。また、研究者らによると、蒸気回収システム(給油時などに気化したガソリンが大気中に放出される量を減らす装置)の設置を義務付ける条例がある地域では、リスク上昇は小さい傾向がみられたという。

GLP-1受容体作動薬が乳がんの治療成績を改善する可能性

医療一般

 血糖コントロールや肥満症の治療のために用いられているGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が、一部の乳がん患者の予後改善につながる可能性を示唆するデータが報告された。肥満または糖尿病のある乳がん患者では、同薬の使用の有無によって全死亡や再発のリスクに有意差が見られるという。米VCUマッセイ総合がんセンターのBernard Fuemmeler氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に5月11日掲載された。  これまでの研究から、肥満や2型糖尿病を有する乳がん患者は、生存率が低い傾向にあることが示されている。

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