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2025-11-17 ~ 2025-11-19

2025/11/17

術中血圧管理の個別化は可能か?―IMPROVE-multi試験と今後の展望(解説:三浦伸一郎氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

術中低血圧は、術後に急性腎障害や心筋傷害などの臓器不全発症のリスクを高める研究が多く報告されてきた。したがって、術中・周術期の血圧管理には、臓器保護の面から見るときわめて重要なテーマであり、各々の患者の術前血圧などから目標を定めるという個別化医療が検討されている。しかし、血圧の最適化によって低血圧は減少するが、術後合併症も減少したという報告は限られている。術中の血圧管理は可能であるが、どの程度、臨床的改善に直結するかは不明であった。

アルツハイマー病に伴うアジテーションを軽減する修正可能な要因は

医療一般

 アルツハイマー病患者の興奮症状に影響を与える介護者、環境、個々の因子を包括的に評価し、修正可能な因子を特定するため、中国・上海交通大学のXinyi Qian氏らは、本研究を実施した。Dementia and Geriatric Cognitive Disorders誌オンライン版2025年9月22日号の報告。  対象は、2022年10月〜2023年6月に上海精神衛生センターより募集した、参加者220例(アルツハイマー病患者110例とその介護者)。対象患者から、人口統計学的情報、生活習慣、病歴、ミニメンタルステート検査(MMSE)や老年期うつ病評価尺度(GDS)などの神経心理学的検査のデータを収集した。介護者から、Neuropsychiatric Inventory Questionnaire(NPI)、環境要因に関する質問票、ハミルトンうつ病評価尺度およびハミルトン不安評価尺度などの感情状態の評価に関するデータを収集した。アジテーション症状の重症度評価には、Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)を用いた。グループ間の差および潜在的な要因と興奮症状との関連性についても分析した。

日本人EGFR陽性NSCLC、アファチニブvs.オシメルチニブ(Heat on Beat)/日本肺癌学会

医療一般

 オシメルチニブは、EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の標準治療として用いられている。ただし日本人では、オシメルチニブの有用性をゲフィチニブまたはエルロチニブと比較検証した「FLAURA試験」1,2)において、有効性が対照群と拮抗していたことも報告されている。そこで、1次治療にアファチニブを用いた際のシークエンス治療の有用性について、1次治療でオシメルチニブを用いる治療法と比較する国内第II相試験「Heat on Beat試験」が実施された。第66回日本肺癌学会学術集会において、本試験の結果を森川 慶氏(聖マリアンナ医科大学 呼吸器内科)が報告した。なお、本試験の結果は、米国臨床腫瘍学会年次総会(2025 ASCO Annual Meeting)でも報告されている(PI:帝京大学腫瘍内科 関 順彦氏)。

週末にまとめて歩くvs.日々歩く、メタボ予防効果が高いのは?

医療一般

 わが国では健康増進のために1日8,000歩以上歩くことが推奨されているが、1日平均歩数が同じ場合、週末にまとめて歩く人と日々歩く人で効果は同等なのだろうか。今回、愛媛大学の山本 直史氏らは、中高年の日本人において連続した7日間の歩数を調査し、メタボリックシンドロームとの関連を検討した結果、8,000歩以上の日数の割合より、7日間の総歩数がメタボリックシンドロームとの関連が強い一方、1日平均歩数が8,000~10,000歩の人では、8,000歩以上達成した日数の割合が高いほどメタボリックシンドロームのリスクが低いことが示唆された。Obesity Research & Clinical Practice誌オンライン版2025年11月2日号に掲載。

がん患者のメンタル問題、うつ病と不安障害で発症期に差

医療一般

 がん患者におけるうつ病と不安障害の発症率と時間的傾向を明らかにした研究結果が、International Journal of Cancer誌オンライン版2025年8月29日号に発表された。九州大学の川口 健悟氏らは日本の14の自治体から収集された診療報酬請求データを用いて、がん診断後、最大24ヵ月間の追跡期間中にうつ病と不安障害を発症した例について調査した。  2018年4月~2021年3月に新たにがんと診断された2万2,863例を対象とした。粗発症率を算出し、ポアソン回帰分析を用いて月別発症率と時間的傾向を可視化した。全患者を対象とした分析と、性別、年齢、治療法、がんの種類別の分析が行われた。

がん患者の死亡の要因は大血管への腫瘍の浸潤?

医療一般

 がん患者の命を奪う要因は、がんそのものではなく、腫瘍細胞や腫瘍が体内のどこに広がるかであることを示した研究結果が報告された。腫瘍が主要な血管に浸潤すると血液凝固が起こり、それが臓器不全につながる可能性のあることが明らかになったという。米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのMatteo Ligorio氏らによるこの研究の詳細は、「Nature Medicine」に10月16日掲載された。  Ligorio氏らは、これが、がんが進行するとすぐに死亡する患者がいる一方で、がんが全身に転移していても生き続ける人がいる理由だと述べている。Ligorio氏は、「われわれが解明しようとしていた大きな疑問は、がん患者の命を奪うものは何なのか。なぜがん患者は、6カ月前でも6カ月後でもなく、特定の日に死亡するのかということだった」と同医療センターのニュースリリースの中で述べている。

筋力が強ければ肥満による健康への悪影響を抑制できる可能性

医療一般

 肥満による健康への悪影響を、筋力を鍛えることで抑制できる可能性を示唆するデータが報告された。米ペニントン・バイオメディカル研究センターのYun Shen氏らの研究の結果であり、詳細は「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」に10月15日掲載された。  この研究からは、肥満関連の健康障害の発生リスクだけでなく早期死亡リスクも、握力が高いほど低いことが示された。Shen氏は、「握力は測定が容易であり、リスクのある介入すべき対象者を早期に低コストで見いだすことができる。そしてわれわれの研究の結果は、握力に基づき評価した筋力の低下が、肥満関連健康障害の鋭敏な指標であることを示している」と語っている。

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