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2025-10-20 ~ 2025-10-26

2025/10/22

HR 0.40、シスプラチン不適格MIBCへの周術期EV+ペムブロリズマブ追加でEFS改善(KEYNOTE-905)/ESMO2025

医療一般

 シスプラチン不適格または投与を拒否した筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者において、術前・術後のエンホルツマブ ベドチン(EV)+ペムブロリズマブの追加は、根治的膀胱全摘除術(RC)+骨盤リンパ節郭清術(PLND)のみと比較して、無イベント生存期間(EFS)を有意に改善した。ベルギー・アントワープ大学のChristof Vulstake氏が、第III相KEYNOTE-905試験の結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で報告した。 ・対象:シスプラチン不適格(Galsky criteriaによる)または投与を拒否したMIBC患者(T2~T4aN0M0またはT1~T4aN1M0、ECOG PS 0~2) ・試験群(EV+Pem群):EV(1.25mg/kg、3週ごと1・8日目)×3サイクル+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)×3サイクル→RC+PLND→EV×6サイクル+ペムブロリズマブ×14サイクル 170例 ・対照群:RC+PLNDのみ 174例

HER2+早期乳がんの術前療法、T-DXd→THPが標準治療を上回るpCR率(DESTINY-Breast11)/ESMO2025

医療一般

 DESTINY-Breast11試験において、再発リスクの高いHER2陽性(+)早期乳がん患者の術前療法として、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)投与後のパクリタキセル+トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法(THP療法)は、ドキソルビシン+シクロホスファミド投与後にTHP療法を行う現在の標準治療(ddAC-THP療法)に比べて、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある病理学的完全奏効(pCR)の改善を示したことを、ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのNadia Harbeck氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で発表した。

胃がん周術期、FLOT+デュルバルマブはPD-L1発現にかかわらず最終OSを改善(MATTERHORN)/ESMO2025

医療一般

 MATTERHORN試験は、2025年の米国臨床腫瘍学会年次総会(2025 ASCO Annual Meeting)において、切除可能な胃がん患者を対象に、術前術後療法のFLOTにPD-L1阻害薬デュルバルマブを上乗せすることの有用性を報告し注目を集めた。10月17~21日に行われた欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)では、Josep Tabernero氏(バルデブロン大学・スペイン)が本試験の全生存期間(OS)の最終解析結果を含む、最新データを発表した。 ・国際共同二重盲検ランダム化第III相試験 ・対象:切除可能なStageII~IVA期局所進行胃がん/食道胃接合部腺がん 948例 ・試験群:術前術後にFLOT+デュルバルマブ1,500mgを4週ごと2サイクル、術後にデュルバルマブ1,500mg 4週ごと10サイクル(デュルバルマブ群)474例 ・対照群:術前術後にFLOT+プラセボを4週ごと2サイクル、術後にプラセボを10サイクル(プラセボ群)474例 ・評価項目: [主要評価項目]無イベント生存期間(EFS) [副次評価項目]全生存期間(OS)、病理学的完全奏効(pCR)率、安全性など ・データカットオフ:2024年12月20日

小細胞肺がん1次治療、タルラタマブ上乗せで1年OS率80.6%(DeLLphi-303)/ESMO2025

医療一般

 PS0/1の進展型小細胞肺がん(ED-SCLC)の標準治療は、プラチナ製剤+エトポシド+PD-L1阻害薬、およびPD-L1阻害薬単剤による維持療法である。この標準治療による全生存期間(OS)中央値は12~15ヵ月と報告されており、さらなる治療成績の向上を目的として、タルラタマブの上乗せが検討されている。1次治療でのタルラタマブの安全性・有効性を検討する国際共同第Ib試験「DeLLphi-303試験」では、タルラタマブの上乗せ方法の1つとして、プラチナ製剤+エトポシド+PD-L1阻害薬を1サイクル実施後にタルラタマブを上乗せし、維持療法にもタルラタマブを上乗せする治療法が検討されている。

2型糖尿病の全死亡、亜鉛欠乏で増加

医療一般

 亜鉛不足が心不全の予後に関連することはいくつかの研究より報告されているが、今回、台湾・Chi Mei Medical CenterのYu-Min Lin氏らは、2型糖尿病患者における亜鉛欠乏が全死亡および心血管系合併症リスクを有意に高めることを明らかにした。  本研究はTriNetXが保有するデータベースを用いて、後ろ向きコホート研究を実施。亜鉛測定が行われていた18歳以上の2型糖尿病患者を亜鉛欠乏群(血清亜鉛<70μg/dL)と対照群(70~120μg/dL)に分類し、傾向スコアマッチング(PSM)を行った。主要評価項目は全死亡および心血管疾患の複合アウトカム(脳血管合併症、不整脈、炎症性心疾患、虚血性心疾患、その他の心疾患[心不全、非虚血性心筋症、心停止、心原性ショック]、血栓性疾患)で、各ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。

認知機能低下リスクを考慮した高齢者の適切な睡眠時間は

医療一般

 睡眠時間は、認知機能に重要な役割を果たしており、認知機能の低下と密接に関連している。しかし、中国人を対象に睡眠時間と認知機能の関係について検討した研究は、これまで十分ではなかった。中国・北京中医薬大学のGuolin Guo氏らは、中国の中高年における睡眠時間と認知機能の関連性を評価するため、横断的研究を実施した。JMIR Human Factors誌2025年9月8日号の報告。  China Health and Retirement Longitudinal Study 2020に参加した1万5,526例のデータを用いて、エピソード記憶、思考力、総合的認知機能を含む3つの複合指標を用いて認知機能の評価を行った。また、対面インタビューにより、自己申告による夜間の睡眠時間のデータも取得した。人口統計学的、ライフスタイル、健康関連の共変量を考慮し、多重一般化線形回帰モデルを用いて調整した。

2025/10/21

超早産児の1次呼吸補助、非侵襲的高頻度振動換気法が有望/BMJ

ジャーナル四天王

 呼吸窮迫症候群を呈する超早産児(extremely preterm infant)の1次呼吸補助では、経鼻的持続陽圧呼吸療法(NCPAP)と比較して非侵襲的高頻度振動換気法(NHFOV)で、出生後72時間以内に侵襲的機械換気を必要とした新生児の割合が有意に低く、安全性に有意差は認められなかったことが、中国・重慶医科大学附属児童医院のYang Li氏らNHFOV study groupによる検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2025年10月6日号に掲載された。  研究チームは、2022年8月~2024年8月に、中国の20の新生児集中治療室(NICU)の参加の下で無作為化対照比較優越性試験を実施した(中国国家重点研究開発計画などの助成を受けた)。

術前療法後の高リスクHER2+早期乳がん、T-DXd vs.T-DM1(DESTINY-Breast05)/ESMO2025

医療一般

 術前療法後に乳房および/または腋窩リンパ節に浸潤性残存病変を有する再発リスクの高いHER2陽性(+)の早期乳がん患者を対象に、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)とトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)の有効性と安全性を直接比較したDESTINY-Breast05試験の中間解析結果を、米国・University of Pittsburgh Hillman Cancer CenterのCharles E. Geyer氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で発表した。その結果、T-DXd群において無浸潤疾患生存期間(iDFS)および無病生存期間(DFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示したことが明らかになった。

進行尿路上皮がん、アベルマブ維持療法前の化学療法3サイクルvs.6サイクル(DISCUS)/ESMO2025

医療一般

 局所進行または転移を有する尿路上皮がんにおける、アベルマブ維持療法前のプラチナ化学療法の治療サイクル数について、3サイクルは6サイクルと比較してQOLが有意に良好であり、中間解析時点における全生存期間(OS)はともに18.9ヵ月であった。スペイン・Anderson Cancer Center MadridのEnrique Grande氏が、医師主導の第II相国際共同試験であるDISCUS試験の結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で報告した。なお、本結果はAnnals of Oncology誌オンライン版2025年10月17日号に同時掲載された。

HER2変異陽性NSCLCの1次治療、ゾンゲルチニブの奏効率77%(Beamion LUNG-1)/ESMO2025

医療一般

 ベーリンガーインゲルハイムは、2025年9月19日にゾンゲルチニブについて「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)」を適応として、厚生労働省より製造販売承認を取得した。本承認は、国際共同第Ia/Ib相試験「Beamion LUNG-1試験」の既治療コホートの結果に基づくものである。本承認により、ゾンゲルチニブは既治療のHER2遺伝子変異陽性NSCLCに対する治療選択肢の1つとなったが、1次治療における有用性は明らかになっていなかった。そこで、Sanjay Popat氏(英国・Royal Marsden Hospital)が、本試験の1次治療コホートの結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で発表した。HER2遺伝子変異陽性の進行NSCLCの1次治療は、免疫チェックポイント阻害薬±化学療法が標準治療であり、1次治療におけるHER2標的療法の有用性は確立していない。

若者の片頭痛、30年間で世界的な負担が急増

医療一般

 片頭痛は、10〜24歳のAYA世代の心身的健康に重大な影響を及ぼす疾患である。中国・北京中医薬大学のYanPi Li氏らは、1990〜2021年のAYA世代における片頭痛の発症率、有病率、障害調整生存年(DALY)の世界的傾向を評価し、予防および政策の指針となるエビデンスを提供するため、本研究を実施した。Frontiers in Neurology誌2025年9月1日号の報告。  過去30年間(1990〜2021年)の204の国と地域におけるAYA世代の片頭痛負担を性別、年齢、社会人口統計指数(SDI)、地域、年別に層別化した世界疾病負担(GBD)2021研究より、データを取得した。本評価では、発症率、有病率、DALYの分析を行った。

アブレーション後の再発予防、スタチンが最適か~ネットワークメタ解析

医療一般

 心房細動(AF)はアブレーションや薬物療法を実施しても再発率が高く、大きな臨床課題となっている。AFの再発リスクには炎症が影響しているともされ、抗炎症作用を有する薬剤が再発抑制の補助療法として注目されている。今回、米国・ユタ大学のSurachat Jaroonpipatkul氏らは、コルヒチンとスタチンが炎症と心房リモデリングの軽減における潜在的な役割を担い、アブレーション後早期での最も有望な治療法であることを示唆した。Journal of Cardiovascular Electrophysiology誌オンライン版2025年7月9日号掲載の報告。

日本の中学生のピロリ検査、陽性率1.2%で半数は家族感染

医療一般

 日本は胃がんの罹患率が高く、胃がんの大きな原因であるヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)の感染率は40%である。成人のH. pylori検査と除菌は一般的になり、近年では若年層を対象とした集団に対する検査が拡大している。日本の義務教育制度での定期健康診断を活用し、中高校生を対象とした包括的な検査が複数の自治体で実施されている。神奈川県横須賀市で実施された、中学生を対象としたH. pylori検査と除菌についての報告が、Journal of Gastroenterology and Hepatology誌2025年10月号に掲載された。

たとえ少量でも飲酒は認知症リスクを高める

医療一般

 どんな量であっても飲酒は認知症リスクを高める可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。予防効果がある可能性が指摘されていた少量のアルコール摂取でさえ、認知症リスクを下げる可能性は低く、リスクは摂取量に応じて増加することが示されたという。英オックスフォード大学のAnya Topiwala氏らによるこの研究結果は、「BMJ Evidence Based Medicine」に9月23日掲載された。  研究グループは、「この研究結果は、軽度の飲酒が認知症予防に効果的である可能性を示した過去の研究に疑問を投げかけるものだ。われわれの研究結果は、種類を問わず、飲酒が認知症リスクに有害な影響を及ぼすことを裏付けており、これまで示唆されていた適度な飲酒の予防効果を裏付けるエビデンスは認められなかった」と述べている。

2025/10/20

未治療のマントル細胞リンパ腫、イブルチニブ+リツキシマブがPFS改善/Lancet

ジャーナル四天王

 未治療のマントル細胞リンパ腫において、イブルチニブ(BTK阻害薬)+リツキシマブ(抗CD20抗体)の併用療法は免疫化学療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが、英国・University Hospitals Plymouth NHS TrustのDavid J. Lewis氏らENRICH investigatorsが行った無作為化非盲検第II/III相優越性試験「ENRICH試験」の結果で示された。イブルチニブは、初回治療の免疫化学療法に上乗せすることでPFSの延長が示されている。ENRICH試験では、60歳以上の未治療のマントル細胞リンパ腫患者を対象に、化学療法を併用しないイブルチニブ+リツキシマブ併用療法と、標準的な免疫化学療法(R-CHOP療法[リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン]またはリツキシマブ+ベンダムスチン)を比較した。著者は、「本検討はわれわれが知る限り、イブルチニブ+リツキシマブ併用の有効性を実証した初の無作為化試験である」としたうえで、「マントル細胞リンパ腫の高齢患者の初回治療として、イブルチニブ+リツキシマブ併用を新たな標準治療と見なすべきである」と述べている。Lancet誌オンライン版2025年10月3日号掲載の報告。

雪崩遭難者の窒息を新たな携帯型安全装置が防ぐ/JAMA

ジャーナル四天王

 雪山で雪崩に巻き込まれ埋没すると通常35分以内に窒息死に至り、適時な救助が不可能となる場合が多い。生存率向上のため窒息を遅らせる新たな戦略の開発が求められている中、イタリア・Eurac ResearchのFrederik Eisendle氏らは、酸素補給やマウスピースを必要とせず、雪崩によって堆積した雪(デブリ)から遭難者の気道へ空気を送り込む新たな携帯型雪崩安全装置の有効性を、介入的無作為化二重盲検臨床試験で調べた。模擬埋没の間、致命的となる低酸素血症や高炭酸ガス血症を遅延させたことが示されたという。JAMA誌オンライン版2025年10月8日号掲載の報告。

血栓溶解療法は脳梗塞発症後4.5~24時間経過した患者に有効か?(解説:内山真一郎氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

HOPE試験は、救命しうる脳組織があり血栓回収療法を予定していない、発症後4.5~24時間経過した脳梗塞患者にアルテプラーゼの静注療法が有効かどうかを検討した、中国で行われたPROBEデザインの無作為化比較試験である。372例が無作為割り付けされたが、アルテプラーゼ投与群では標準的内科治療群と比べて、36時間以内の症候性頭蓋内出血は多かったものの、3ヵ月後の自立可能例が有意に多かった。この結果は、このような条件を満たす患者では、発症後24時間までアルテプラーゼが適応となりうることを示唆している。

日本の大学生の過度な飲酒とうつ病との関連性は

医療一般

 アルコール摂取とうつ病との関連性は、いまだ明らかになっていない。また、アジアの大学生を対象とした大規模研究で、この関連性の検証は行われていない。筑波大学の斉藤 剛氏らは、日本の大学生を対象に、過度な飲酒とうつ病との関連性を検証するため横断的研究を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌2025年9月号の報告。  2019年4月〜2020年1月に、日本の2つの大学で定期健康診断を受けた20歳以上の学部生および大学院生を対象に調査を実施した。自記式質問票を用いて、飲酒頻度、1日当たりの飲酒量、過去1ヵ月間の過度な飲酒、うつ病自己評価尺度(CES-D)スコア、人口統計学的データの評価を行った。

肥満症への胃バイパス手術の長期的効果は良好

医療一般

 肥満症の治療に胃や腸の外科的手術が登場し半世紀以上が経った。術後の患者の健康状態や効果などに違いはあるのだろうか。このテーマについて、米国・ブリガムヤング大学運動科学部のTaggert J. Barton氏らの研究グループは、胃バイパス手術の健康への長期的な効果について評価を行った。その結果、術後10年を経てもBMIの低下が維持されていたことが判明した。この研究結果はObesity誌オンライン版2025年10月8日号に掲載された。  研究グループは、代謝・肥満手術(MBS)関連の減量が健康に及す長期的な影響を探るために前向き試験「the Utah Obesity Study」の一部から、MBS患者群(82例)と対照となる非手術群(88例)のデータを収集した。フィットネスは修正ブルースプロトコルを用いた最大・亜最大トレッドミル試験で評価した。亜最大運動試験は手術前(ベースライン)および11.5年後に実施した。170例の参加者から抽出したサブグループ(97例)は、ベースラインから2年後および6年後に最大トレッドミルテストも実施した。体重とBMIは各訪問時に記録した。群間比較におけるトレッドミル走行時間は、性別と体重で調整した。

日本人男性の遅漏有病率/日本性機能学会

医療一般

 日本性機能学会 臨床研究促進委員会が実施した、日本全国の一般男性を対象にした大規模インターネット調査で、性交経験のある男性における遅漏(Delayed Ejaculation:DE)の有病率は5.16%であることが報告された。有病者の58.18%が治療を望む一方、実際に医療機関を受診したのは11.88%に留まり、潜在的ニーズとの乖離が明らかになった。順天堂大学医学部附属浦安病院・泌尿器科の白井 雅人氏らによる本研究結果はSexual Medicine誌2025年8月号に掲載された。  研究者らは2023年5月29日~6月24日、20~79歳の日本人男性を一般パネルからリクルート、有効回答6,228例のうち性交歴のある5,331例を解析した。DEは「遅漏に関する苦痛の自覚がある」場合と定義し、多変量ロジスティック回帰で関連因子を同定した。

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