抗凝固薬を使用している人が、イブプロフェンやナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用すると、脳や腸、肺、膀胱での制御不能な出血リスクが2倍以上に上昇することが、新たな研究で明らかにされた。抗凝固薬は通常、脳卒中や心筋梗塞、あるいは脚や肺の血栓を治療または予防するために処方される。一方、NSAIDsには血液を薄める作用のあることが知られている。オーフス大学病院(デンマーク)のSøren Riis Petersen氏らによるこの研究結果は、「European Heart Journal」に11月18日掲載された。
Petersen氏らは、デンマークの全国レジストリを用いて、抗凝固薬を使用している静脈血栓塞栓症(VTE)患者がNSAIDs(イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン)を使用した際の出血リスクについて検討した。対象は、2012年1月1日から2022年12月31日の間にVTEの治療のために経口抗凝固薬を処方された患者5万1,794人(年齢中央値69歳、女性48%)であった。