化粧をすることで脳活動(自分への意識)も変化することを確認

提供元:ケアネット

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公開日:2009/11/04

 



カネボウ化粧品・価値創成研究所、およびメイクアップ研究所は29日、化粧前後における女性の脳活動の変化を比較し、化粧前に「他人の顔」のように認識していた「自分の化粧顔」が、化粧後には「自分の顔」、すなわち“自分そのもの”であると認識を変えていることを見出したと発表した。化粧後の女性にとっての「自分の化粧顔」は「自分の顔」であり「他人と向き合うための社会的な存在」であることを示唆しているという。

この研究は、2007年7月より脳科学者・茂木健一郎氏と同社が共同で推進している「『化粧・美×脳科学』プロジェクト」において得られた成果の第二弾で、「美の本質」や「化粧の本質」などについての多角的な研究の一環としてスタートしたもの。第一弾となる研究成果を、2008年11月に、脳・認知科学における世界最大の国際学会 Societyfor Neuroscience(北米神経科学会)が開催した「Neuroscience 2008」において発表している。

実験は、実際に化粧をした状態で、前回と同様、fMRI(機能的磁気共鳴映像法:functionalMagnetic Resonance Image)で測定した。fMRIは強い磁気を発生するため、本来は磁気を帯びやすい金属を含む化粧品をつけた状態では使用することができないため、fMRI内で使用できる化粧品原料を選定し、それらの原料を含んだ化粧品を選別するところから研究をスタートさせた。被験者にはこの化粧品を使ってもらい、化粧をした状態での「自分の素顔」「自分の化粧顔」「他人の素顔」「他人の化粧顔」を見た時のそれぞれの脳活動を測定した。

前回、素顔の状態での測定では、「自分の素顔」は「自分の顔」を見た時と同じ脳の部位が活動するものの、「自分の化粧顔」については「他人の顔」を見た時に活動する部位と同じ部位が活動した。一方で、化粧をした状態で測定した今回は、「自分の素顔」「自分の化粧顔」共に、「自分の顔」を見た時と同じ活動を示すことがわかったという。

本研究成果を含む詳細は、昨年に引き続き、Society for Neuroscience(北米神経科学会)が10月16日~21日に米国・シカゴで開催した「Neuroscience 2009」にて発表された。さらに、日本顔学会が10月31日~11月1日に鹿児島で開催する「フォーラム顔学2009」でも発表された。

詳細はプレスリリースへ(PDF)
http://www.kanebo-cosmetics.co.jp/company/newsrelease/pdf/20091029-01.pdf