新種の辛くないトウガラシに抗肥満効果あり

提供元:ケアネット

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公開日:2009/11/09

 



味の素株式会社は2日、新種の辛くないトウガラシ「CH-19甘」から抽出された成分「カプシエイト」の最新のメカニズム研究について、北米肥満学会(2009年10月24-28日 米国ワシントンD.C.にて開催)で発表したと報告した。研究では、カプシエイトが体重増加抑制ならびに腹部脂肪蓄積抑制を引き起こすことが明らかになったという。

これまでの日米のヒトにおける「カプシエイト」のエネルギー消費量や体重、体脂肪に及ぼす影響の検討において、4週間の摂取により安静時に約50Kcalのエネルギー消費量の増加がみられ、また、12週間の摂取により腹部の脂肪率が低減することが明らかになっている。一方、これまでの基礎研究により、「カプシエイト」摂取によるエネルギー消費量の増加、腹部脂肪率の低減は、「カプシエイト」が消化管に存在する「TRPV1受容体」に作用し、迷走神経を介して交感神経を活性化することで、骨格筋や褐色脂肪組織(BAT)でのエネルギー消費量が高まると共に、白色脂肪組織での脂肪分解が起こり、体脂肪を低減させるのではないかと推定されている。

今回、同社の発表では「カプシエイト」摂取によるエネルギー消費量の増加・腹部脂肪の低減には、「カプシエイト」の「TRPV1受容体」への作用が関与しているのではないかという仮説に基づき、「TRPV1受容体」を発現しないマウス(TRPV1ノックアウトマウス)を用いて、「カプシエイト」の体重増加抑制効果、臓器脂肪蓄積抑制効果を調べたところ、その効果が見られなくなったことを明らかにした。このことは、「カプシエイト」の「TRPV1受容体」への作用が、体重増加抑制ならびに体脂肪蓄積抑制に直接関わっていることを明確にするものであり、ヒトで見られた腹部脂肪の低減効果も、「カプシエイト」が「TRPV1受容体」に作用し、迷走神経を介して交感神経を活性化することにより引き起こされたものであることを示唆するものだという。

詳細はプレスリリースへ
http://www.ajinomoto.co.jp/press/2009_11_02.html