新規抗血小板剤Ticagrelor ST上昇型急性心筋梗塞患者の心血管イベント発症リスクを抑制

提供元:ケアネット

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公開日:2009/11/24

 



英国アストラゼネカ社は、PLATO試験において、急性冠症候群の中でも重症のST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者を対象としたサブグループ解析結果をアメリカ心臓協会(AHA)の年次学術集会で発表した。STEMIは冠動脈の完全閉塞により発症することから、早期の血流回復によって、心筋救済し死亡率を低減させる必要があります。そのため、緊急経皮的冠動脈形成術(PCI)が施行されます。同社の日本法人が19日に報告した。

この解析はPLATO試験に組入れられた患者の約45%にあたる8,430人のSTEMI患者を対象に行なわれた。解析の結果、Ticagrelorはクロピドグレルに比べて大出血のリスクを増加させることなく(9.0% vs. 9.3%, p=0.63)1、投与1年後の心血管イベント発症リスク(心血管死、心筋梗塞、脳卒中)を有意に抑制したという(9.3% vs. 11.0%, P=0.02)。特に、Ticagrelorはクロピドグレルに比べ有意に心筋梗塞発症リスクを抑制したとのこと(4.7% vs. 6.1%, P=0.01)。解析結果から、STEMI患者におけるTicagrelorの治療効果は試験期間全体を通じて認められ、クロピドグレルとの差は時間の経過と共に大きくなる傾向にあることがわかった。

またTicagrelorは心筋梗塞、ステント内血栓症、および心筋梗塞・脳卒中・全死亡の複合イベントを含む複数の有効性の副次的評価項目においても有効性を一貫して示したとのこと。Ticagrelorはクロピドグレルに対し1年経過時点における全死亡の相対リスクを18%抑制した(6.0% vs. 4.9%, P=0.04)。

詳細はプレスリリースへ
http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2009/09_11_19.html