耐糖能異常において2型糖尿病の発症と高血圧の発症は深く関連しており、αグルコシダーゼ阻害薬アカルボース投与によって、食後高血糖を改善することにより高血圧の発症を糖尿病の発症と同様に抑制することがSTOP-NIDDMの事後解析の結果、示唆された。この解析結果は5月8日に、Journal of Hypertension誌のオンライン版に速報された。
STOP-NIDDM試験のデータを事後解析
独ドレスデン工科大学のHanefeld氏らは、the Stop non insulin dependent diabetes mellitus(STOP-NIDDM)試験のデータを事後解析し、高血圧発症の危険因子を探索した。
STOP-NIDDM試験におけるITT解析適格例1,368人中、702人(51.3%)は既に高血圧を発症していた。
主な結果は下記のとおり。
1. ベースライン時に正常血圧であった666人中、96人が
3.3年の追跡期間中に高血圧を新たに発症した。
2. 高血圧発症の最大の危険因子は、ベースライン時の腹部肥満であった。
(ハザード比:1.91、95%信頼区間:1.19-3.05、P<0.01)
3. 耐糖能の悪化も高血圧発症の有意な危険因子であった。
(ハザード比:1.54、95%信頼区間:1.02-2.32、P<0.05)
4. アカルボースの投与は高血圧発症の有意な抑制因子であった。
(ハザード比:0.59、95%信頼区間:0.39-0.90、P<0.05)
(ケアネット 藤原 健次)