リナグリプチンは、SU薬に比べ低血糖リスクを減らし、HbA1c値低下効果は非劣性

提供元:ケアネット

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公開日:2012/07/04

 



メトホルミン投与下の2型糖尿病患者へのDPP-4阻害薬、リナグリプチン(商品名:トラゼンタ)追加投与の有効性と安全性に関するデータが示された。対照薬であるSU薬グリメピリド(商品名:アマリールなど)に比べ、主要評価項目であるHbA1c値低下効果においてリナグリプチンの非劣性が証明され、低血糖発現頻度が低いことが明らかになった。Baptist Gallwitz氏らによりLancet誌Early Online Publication 2012年6月28日付で報告された。

対象は、メトホルミン単独、またはメトホルミンにほかの経口糖尿病治療薬1剤を追加されたHbA1c(NGSP)値6.5 ~10%の外来患者。対象患者はリナグリプチン(5 mg/日)群777例またはグリメピリド(1〜4 mg/日)群775例に無作為に割り付けられ、104週後のHbA1c値の変化を主要評価項目とし、安全性と有効性について検討された。2年間にわたる並行群間非劣性二重盲検試験。

主な結果は以下のとおり。

・主要評価項目の解析対象は、リナグリプチン群764名、グリメピリド群755名であった。
・ベースラインHbA1c値は両群ともに7.69%[標準誤差(SE):0.03]
・調整後の平均HbA1c値の変化は、リナグリプチン群で-0.16%[SE:0.03]、グリメピリド群で-0.36%[SE:0.03]であった。群間差は0.20%(97.5%CI:0.09~0.30)と、事前に定義された非劣性基準の群間差0.35%以内を満たしており、リナグリプチンのグリメピリドに対する非劣性が証明された。
・低血糖発現率はリナグリプチン群7%(58例/776例)と、グリメピリド群の36%(280例/775例)に比べ、有意に少なかった(P <0.0001)。
・重症低血糖の発現はリナグリプチン群で1例、グリメピリド群で12 例にみられた。
・心血管イベント発生はリナグリプチン群12例と、グリメピリド群の26例に比べ有意に低かった(相対リスク:0.46 95%CI :0.23 ~0.91、P=0.0213)。

(ケアネット 佐藤 寿美)

〔関連情報〕 動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)