シタグリプチンの上乗せ効果~54週の試験~

提供元:ケアネット

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公開日:2012/07/06

 



複数薬剤での併用療法がしばしば必要となる進行した2型糖尿病患者の血糖コントロールには、新たな治療手段が必要とされている。


今回、メトホルミン(商品名:メトグルコなど)とロシグリタゾン(国内未発売)で継続治療中の2型糖尿病患者に54週間、DPP-4阻害薬であるシタグリプチン(商品名:ジャヌビア/グラクティブ)を上乗せしたところ、プラセボと比較して血糖コントロールを有意に改善し、有害事象発現率も同程度であることが示された。Dobs AS氏らによりJ Diabetes誌Early Online Publication 2012年6月28日付で報告された。

対象はメトホルミン(≥1500 mg/日)とロシグリタゾン(≥4 mg /日)の併用療法にもかかわらず、HbA1c(NGSP:以下同)値が7.5%以上11.0%以内にある2型糖尿病患者278例。対象患者は、1日1回シタグリプチン100 mg投与群とプラセボ群とに無作為に割り付けられた。

北米、南米、ヨーロッパ、およびアジアの41施設において実施された54週にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験。

主要アウトカムは18週時のHbA1c値のベースライン時からの変化とされた。

主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時のHbA1c値の平均は8.8%
・HbA1c値のプラセボ調整平均変化量は、シタグリプチン群で18週で -0.7%(P <0.001)と54週で -0.8%(P <0.001)であった。
・18週、54週時で、プラセボと比較してシタグリプチン群で有意(P <0.001)な減少がみられたのは、食後2時間血糖値および空腹時血糖値であった。
・シタグリプチン群とプラセボ群のHbA1c値7.0%未満達成率は、18週時(22% vs 9%、P = 0.003)、54週時(26% vs 14%、P = 0.015)と、シタグリプチン群で有意に高かった。
・54週の試験期間中、体重変化、全ての有害事象発現率、低血糖や胃腸障害の発現は、シタグリプチン群とプラセボ群で同等であった。

(ケアネット 佐藤 寿美)

〔関連情報〕 動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)