PETでみるアリピプラゾール薬理作用「なぜ、EPSが少ないのか」 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/07/12 第二世代抗精神病薬は第一世代抗精神病薬と比較して、錐体外路症状(EPS)を軽減し、抗精神作用を示す。この要因として、放射線医学総合研究所の高畑氏らは優先的な線条体外のドパミンD2受容体占有(辺縁系選択的)が影響しているのではないかと考え、本仮説を検証するため、第二世代抗精神病薬であるアリピプラゾールの薬理学的プロファイルについてPET検査を用い検証した。Psychopharmacology誌2012年7月号(オンライン版2012年1月12日号)の報告。健康成人男性11人を対象に、アリピプラゾール6mg経口投与後の線条体および線条体外のドパミンD2受容体占有率を調べるため、高比放射能合成技術によって得られた2つの超高比放射能のドパミンD2受容体リガンド である[11C]ラクロプライドと[11C]FLB457を用い、PET検査を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・線条体でのドパミンD2受容体占有率は70.1%~74.1%([11C]ラクロプライドにより測定)、線条体外のドパミンD2受容体占有率は46.6%~58.4%であった([11C]FLB457により測定)。・本研究では、アリピプラゾールの優先的な線条体外のドパミンD2受容体占有は認められなかった。・アリピプラゾールが有するパーシャルアゴニスト作用が、EPSリスクを低下させる要因である可能性が高いと考えられる。 (ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・統合失調症の病態にメラトニンが関与?! ・うつ病治療におけるNaSSA+SNRIの薬理学的メリット ・“ヨガ”で精神症状とQOLが改善 原著論文はこちら Takahata K, et al. Psychopharmacology (Berl). 2012 Jul; 222(1): 165-172. Epub 2012 Jan 12. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 冠動脈疾患へのPCI、FFRガイド下vs.IVUSガイド下/Lancet(2025/04/18) 症候性発作性AFのアブレーション、パルスフィールドvs.クライオバルーン/NEJM(2025/04/18) iPS細胞移植、パーキンソン病患者の脳内でドパミン産生を確認/京大(2025/04/18) カピバセルチブ使用時の高血糖・糖尿病ケトアシドーシス発現についての注意喚起/日本糖尿病学会(2025/04/18) 非専門医による診療機会を考慮、成人先天性心疾患診療ガイドライン改訂/日本循環器学会(2025/04/18) 通院費増で遺伝子変異に関連した治験への参加率が低下、制度拡充が必要/国立がん研究センター(2025/04/18) 双極症における片頭痛と関連する臨床的特徴(2025/04/18) 臓器の生物学的老化の加速は疾患リスクに影響する(2025/04/18)