慢性腰痛症への鍼治療、プラセボと比較し症状および疼痛強度を改善

提供元:ケアネット

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公開日:2012/10/19

 

 鍼治療の慢性腰痛症への効果について、シャム対照治療との比較の結果、症状スコアおよび疼痛強度の低下がみられ、より良好な効果を示すことが示唆されたと、韓国・キョンヒ大学校のCho YJ氏らが報告した。鍼治療は慢性腰痛症に効果的な治療として知られているが、プラセボより優れているかについては依然として不明なままであった。Spine誌オンライン版2012年9月28日号の掲載報告。

 ソウル市内3病院に通院する、非特異的な腰痛症が3ヵ月以上持続する18~65歳130例を対象とした多施設共同無作為化患者-評価者盲検シャム対照試験を行った。個々の鍼治療の効果を症状(bothersomeness)の減少で調べた。
 被験者は、韓医学の医師(Korean medicine doctor)から6週間(週2回)にわたって、個別に鍼治療またはシャム鍼治療を受けた。主要アウトカムは、慢性腰痛症の症状について視覚アナログスケール(VAS)でみたスコアの変化であった。副次アウトカムには、疼痛強度についてみたVASスコアと、オスウェストリー障害指数(ODI)、全般的な健康状態(SF-36)、ベックうつ病評価尺度(BDI)などによる評価を含んだ。

 主な結果は以下のとおり。

・ODIを除き、ベースラインにおいて両群間に差異は認められなかった。
・参加者のうち116例が治療を完了し、3、6ヵ月間のフォローアップを受けた。14例は途中で脱落した。
・主要エンドポイント(8週間)時点で、慢性腰痛症の症状および疼痛強度についてのVASスコアで、両群間の有意な差が認められた(p<0.05)。
・さらにそれら2つのスコアは、フォローアップ期間3ヵ月の時点まで継続的な改善がみられた(各p=0.011、p=0.005)。
・ODI、BDIとSF-36スコアについては、両群ともに改善し、群間差はなかった。

(ケアネット)