米国・CDC公衆衛生予防サービス部門のMcCormick EV氏らは、学校で行われる青年期ワクチン(思春期ワクチン)およびインフルエンザワクチンの接種に対する医師の考え方について調査を行った。コロラド州の開業医1,337人を対象とした調査の結果、大半の医師が学校でのワクチン接種を支持する一方で、診療所経営への影響について懸念を抱いていることが明らかとなった。著者は、「医師の民間保険加入者への接種に対する支持が少なく、受診児の減少と収入への影響が障壁となっていることが示されたが、さらなる調査が必要である」とまとめている。Pediatrics誌オンライン版2012年10月1日号の掲載報告。
2010年7月~9月の間に、コロラド州で開業している家庭医と小児科医1,337人に対し、メールで20項目にわたる質問を行った。
標準統計方法にて、学校でのワクチン接種プログラムに対する医師の支持と因子との関連オッズ比を、補正前、補正後について算出した。
主な結果は以下のとおり。
・全体で943例の医師が調査適格であった。回答は、584例(62%)で得られた。
・半数以上の医師が、学校での青年期ワクチンおよびインフルエンザワクチンの接種を支持した。
・青年期ワクチン接種を支持する医師は、インフルエンザワクチン接種を支持する医師と比べ少なかった。
・公的保険加入者へのワクチン接種を支持する医師は多かったが、民間保険加入者へのワクチン接種を支持する医師は少なかった。
・一部の家庭医(32%)と小児科医(39%)は、学校でのワクチン接種は定期健康診断受診児の減少につながると考えていた。また回答者の半分が、学校でのワクチン接種は診療所の経営にネガティブな影響を与えると考えていた。
・多変量解析の結果、診療所の経営面への影響を懸念する医師は、学校でのワクチン接種プログラムを支持しない傾向がみられた。
関連医療トピックス
・ロタウイルスの血清型と流行【動画】
・睡眠時間の増減が子どもの情緒・落ち着きに与える影響
・小児臨床試験の潮流、感染症/ワクチン試験が23%と最も多くを占める
(ケアネット)