複数部位筋骨格痛の鑑別は主要な痛点をベースに

提供元:ケアネット

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公開日:2012/10/30

 

 複数部位の筋骨格痛を訴えるケースは多いが、南デンマーク大学のHartvigsen J氏らはそれらの特異的パターンの定義を行った。その結果、「特異的パターンは、主要な痛点をベースに判定することが可能である。疼痛の主訴が脊椎にある人のほうが四肢にある人と比べて複数のパターンがみられる」ことを報告した。複数部位に起こる疼痛はネガティブな予後を予感させるが、これまで特異的な疼痛パターンに関する情報は十分ではなかった。

 主要な筋骨格疼痛部位の近くで起きている、複数部位の筋骨格痛の特異的パターンを定義することを目的とし、デンマークの全国健康インタビュー調査のデータに基づく潜在クラス分析を行った。

 調査は1991年に、デンマーク全域からサンプル抽出して行われた4,817例の成人を対象としたものである。

 主な結果は以下のとおり。

・2週間の調査期間中40%が、疼痛があることを報告した。
・最も頻度が高かったのは背下部、頸部、肩部、膝で、40%が1ヵ所以上の疼痛があることを訴えた。
・2つの潜在的なクラスでは、それぞれ背下部を除く9ヵ所の主要な痛点がみつかった。
・最大クラスは局所の特異的な疼痛のみを有していたが、最小クラスはからだ全体に及ぶびまん性の疼痛を有していた。
・主な疼痛が脊椎にあった被験者は、複数疼痛は脊椎のその他の部位で起きている可能性が最も高かった。
・主な疼痛が四肢である場合は、概して隣接域で複数疼痛が起きていた。
・唯一、際立った例外が、膝痛を主訴とする場合で、複数疼痛が頸部や背下部のようにより離れた部位で認められた。

(ケアネット)