ロタウイルスワクチン、市販後の有効性モニタリングで大切なこと

提供元:ケアネット

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公開日:2012/11/13

 

 スペインでは2006年に、2種の経口弱毒生ロタウイルスワクチンが、6ヵ月未満児のために認可された。そのワクチン有効性について最近のデータで、ばらつきがある可能性が示されたという。スペイン・カステロン公衆衛生センターのJuan B Bellido-Blasco JB氏らは、このことはロタウイルスワクチンの有効性に関する市販後モニタリングに重大な局面をもたらすものだとして、症例対照研究を行った。Vaccine誌オンライン版2012年10月25日号の掲載報告。

 2009年にカステロンにて生後2~35ヵ月児を対象に、ロタウイルスワクチンの有効性を評価した。可能な限りの選択バイアスと関連特異度を評価するため、二次的観察と反事実的観察として、ロタウイルス性下痢症状に対する肺炎球菌ワクチン接種の「有効性」を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・ロタウイルス胃腸炎が確認された小児は71例で、ロタウイルス以外が原因であった対照群は261例であった。
・各児の予防接種状況、投与量、投与日について地方予防接種レジストリにて評価した結果、ロタウイルス性下痢症状を呈した患児のワクチン接種率は低かった(2.8%)。
・対照群のワクチン接種率は21.8%であった。
・ロタウイルスワクチンを1回以上接種した場合の有効性は87.7%(45.5~99.7%)であった。
・解析を非入院児に限定した場合の同有効性は、わずかに低くなり83.5%(25.4~96.3%)であった。
・予想されたことではあるが、肺炎球菌ワクチンのロタウイルス感染症に対する保護効果は認められなかった。
・ワクチン有効性の市販後モニタリングは、EDICSのような伝染性胃腸炎発生を住民ベースの研究と組み合わせた予防接種情報システムが適している。

(ケアネット)