米国の早期乳がん治療における乳房切除率は減少傾向にあったが、2005年以降増加していることが報告された。米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのUsama Mahmood氏らが、Annals of surgical oncology誌オンライン版2012年11月8日号に報告。
著者らは、SEERデータベースから、2000年~2008年にT1-2、N0-3、M0の乳がんと診断された25万6,081例のデータを分析した。乳がんと診断された年に乳房切除術を受けた割合を評価し、さらに、多変量ロジスティック回帰分析を用いて乳房切除術選択の予測因子を検討した。
主な結果は以下のとおり。
・乳房切除術を受けた女性の割合は、2000年から2005年の間に40.1%から35.6%に低下し、その後、2008年に38.4%に増加した(p<0.0001)。
・単純ロジスティック回帰モデルでは、2005年~2008年の乳房切除率は、年齢(p<0.0001)、配偶者の有無(p=0.0230)、地理的な位置(p<0.0001)によって抑制されたことが示された。
・乳房切除術の独立した予測因子として、多変量ロジスティック回帰分析より、年齢、人種、配偶者の有無、地理的な位置、乳房の複数部位の病変、小葉組織像、Tステージ上昇、リンパ節転移陽性、グレード上昇、およびホルモン受容体陰性が示された。
・多変量解析では、2008年に診断された女性は、2005年で診断された女性より乳房切除術を受ける傾向が高かった(オッズ比:1.17、95%信頼区間:1.13~1.21、p<0.0001)。
(ケアネット 金沢 浩子)