英国・Royal Free Hampstead NHS TrustのD. P. Butler氏らは、皮膚がん予防を目的とする日焼け対策プログラムを今後どのように展開するべきかを企画するため、かかりつけ医(GP)を通じて幅広い患者を対象に、皮膚がんに対する認識や向き合う姿勢などの現状を調査した。その結果、プログラムはより若い年齢層を対象とすべきであり、またすでに皮膚がんを呈する患者に対してヘルスケア専門家は、安全な太陽光曝露の重大性の認識が強化できるよう働きかける必要があることを報告した。Clinical and Experimental Dermatology誌オンライン版2013年3月27日号の掲載報告。
調査は、さまざまな患者における皮膚がんに関する知識および認識、対策に向き合う姿勢を明らかにし、今後の英国日焼け対策キャンペーン(UK sun-awareness campaigns)を企画することを目的とした。
2010年6月1日~7月31日の期間に英国内3つのGP(2施設は都市部、1施設は地方)のうちの1施設で受診した16歳以上の患者を対象に、太陽光曝露に関する行動データを集めるため質問票への回答を求めた。
主な結果は以下のとおり。
・総計1,000人(男性327人、女性673人)から回答を得た。
・16~30歳群が高齢者群よりも、より有意に多く日焼けしている可能性があった。
・また16~30歳群は、皮膚がん回避の方法の理解が、他の年齢群よりも有意に不良であった。
・さらに同群は高齢者群との比較において、日中の太陽光の回避(p<0.001)や日なたでは日差しをカバーする(p<0.001)ということが有意に少なかった。
・皮膚がんの病歴や家族歴の有無による、太陽光曝露や日焼けの頻度に有意差はみられなかった。
・皮膚がんの病歴を持つ人で、日焼け止めを使って対策をしている傾向がみられた(p<0.001)が、日差しの完全防備や回避はしていなかった。
(ケアネット)