難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は?

提供元:ケアネット

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公開日:2013/07/03

 

 田中脳神経外科クリニック(鹿児島)の田中 滋也氏らは、難治性部分発作てんかんの治療にレベチラセタム(LEV、商品名:イーケプラ)を追加した場合の有用性を検討することを目的に観察研究を行った。その結果、LEVの追加は安全性に大きな影響を及ぼすことなく、有意な効果が得られることを報告した。結果を踏まえて著者は「難治性部分発作を有する患者に対して、本治療レジメンは推奨できると考えられる」と結論している。Epileptic Disorders誌オンライン版2013年6月17日号の掲載報告。

 日本人の難治性部分発作を有する患者において、抗てんかん薬による治療にLEVを追加した場合の有効性と安全性を検討することを目的に観察研究を行った。本研究は、LEV承認後、初めて日本で実施されたLEV追加療法試験であった。LEV投与患者32例、対照となるその他の抗てんかん薬投与患者30例の診療録を、レトロスペクティブに検討した。有効性の評価項目は、「発作なし」および「発作回数50%以上低下」とした。

 主な結果は以下のとおり。

・ベースラインの発作タイプにかかわらず、LEV追加投与は、対照に比べ有意に高い有効性を示した。
・てんかんの罹病期間が10年を超える患者では、LEVの追加により顕著な効果が認められ、有意な結果が示された。
・LEV群では、2例(6.2%)が発作の増悪を理由に投与を中止したが、有害事象による投与中止例はなかった。
・以上から、その他の抗てんかん薬へのLEV追加療法は、抵抗性部分発作を認める患者に対し、安全性に大きな影響を及ぼすことなく、有用な治療選択肢になりうることが示された。

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(ケアネット)