小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/08/12 急性頭部外傷を受けた外傷後てんかんリスクを有する小児へのレベチラセタムについて、安全性および良好な忍容性が確認されたことが、米国・国立小児医療センターのPhillip L. Pearl氏らによる第2相試験の結果、報告された。外傷後てんかんは、重症頭部外傷(TBI)を受けた小児において最大20%で発現することが報告されているという。Epilepsia誌2013年7月22日号の掲載報告。 今回の第2相試験は、6~17歳の小児で、頭蓋内出血、頭蓋骨陥没骨折、穿通性損傷など外傷後てんかんの発症に関するリスク因子、または外傷後発作の発現に関するリスク因子を1つ以上有する者を集めて行われた。被験者には30日間にわたり、レベチラセタム55mg/kg/日を1日2回で投与した。投与は外傷後8時間以内に開始された。治療被験者の目標数は、20例であり、TBI後8~24時間以内に受診しその他の適格基準を満たした20例を観察対象として組み込んだ。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップの期間は2年であった。45例がスクリーニングを受け、20例が治療群に組み込まれた。 ・TBI後に最も頻度が高かったリスク因子は、即時の発作であった。 ・レベチラセタムの投与には95%が応じた。死亡例はみられなかった。治療被験者20例のうち、1例が途中で追跡不能となった。 ・治療被験者で最も頻度の高かった重篤な有害事象は、頭痛、疲労感、傾眠、易刺激性であった。 ・治療被験者が対照被験者と比較して、感染症、気分変化、問題行動の発生が多いということはみられなかった。 ・被験者40例のうち、外傷後てんかん(外傷後7日超での発作と定義)を呈したのは1例のみ(2.5%)であった。 ・今回の試験によって、外傷性脳損傷のリスク集団において、小児外傷後てんかんを予防する研究の実現可能性が示された。 ・以上の結果を踏まえて著者は、「レベチラセタムは、今回対象としたリスク集団において、安全であり忍容性が良好であった。本研究は、外傷後てんかんリスク集団の予防に関する、前向き試験実現のためのステージを用意するものとなった」とまとめている。 関連医療ニュース 抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証 小児てんかん患者、最大の死因は? 抗てんかん薬によりADHD児の行動が改善:山梨大学 (ケアネット) 原著論文はこちら Pearl PL et al. Epilepsia. 2013 Jul 22. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13)