睡眠障害は痛覚過敏を誘発する 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/09/11 慢性疼痛患者では睡眠障害が非常によくみられることから、睡眠障害や睡眠不足と疼痛知覚との関連の解明が重要な研究課題となっているが、これまでのところヒトにおける研究で一貫した結果は得られていない。ドイツ・ハイデルベルグ大学のSigrid Schuh-Hofer氏らは、健常人において、全断眠(TSD)は全般的な痛覚過敏を誘発するとともに状態不安を高めることを示した。TSDは睡眠障害の痛覚過敏作用の病理学的機序を解明する疼痛モデルとして役立つ可能性がある、とまとめている。Pain誌2013年9月号(オンライン版2013年5月11日号)の掲載報告。 健常者14人(女性6人、男性8人、平均23.5±4.1歳)を対象に、クロスオーバー法により、全断眠(TSD)と通常睡眠後の体性感覚プロファイルについて網羅的感覚機能評価を用い比較検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・一晩のTSD後は、眠気のレベルが有意に上昇し(p<0.001)、状態不安検査スコアも有意に増加した(p<0.01)。 ・熱(p<0.05)および鈍的圧力(p<0.05)に対する痛覚過敏に加え、寒冷に対する痛覚過敏(p<0.01)や、針を刺すといった機械的痛覚感受性(p<0.05)も増加したが、時間的加重による変化はなかった。 ・矛盾熱感または動的アロディニアはみられなかった。 ・非侵害受容器の検出閾値に変化はなく、TSDは侵害受容器を選択的に変化させた。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する ・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは? ・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!? (ケアネット) 原著論文はこちら Schuh-Hofer S et al. Pain. 2013 Sep;154(9):1613-21. Epub 2013 May 11. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21)