慢性非がん性疼痛の突出痛にフェンタニル口腔粘膜吸収剤は有用

提供元:ケアネット

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公開日:2013/10/14

 

 慢性非がん性疼痛の突出痛(BTP)に対し、フェンタニル口腔粘膜吸収剤(以下フェンタニル、国内ではがん性疼痛のみ適応)はオキシコドン速放製剤と比較して、鎮痛効果の発現が速やかで機能状態改善効果も優れ、患者の満足度も良好であることが示された。米国・CRI LifetreeのLynn R. Webster氏らが、無作為化二重盲検クロスオーバー試験において明らかにした。Pain Medicine誌2013年9月号(オンライン版2013年7月15日)の掲載報告。

 本研究には、米国の42施設が参加した。対象は慢性非がん性疼痛を有しBTPを認めるオピオイド耐性患者213例であった。

 非盲検の用量設定期において、フェンタニルに次いでオキシコドン速放製剤(IR)の順に投与する群、またはオキシコドンIRに次いでフェンタニルの順に投与する群に無作為に割り付け、BTPに対し有害事象を伴うことなく十分な鎮痛効果が得られる単回投与量を、両薬剤について設定した。その後、同様に再割り付けを行い二重盲検治療期としてBTPに対する治療効果を検討し(BTP 10エピソードで薬剤切替え)、引き続き12週間の非盲検の延長試験を行った。

 疼痛強度は0~10までの数値的評価スケールを用いて評価するとともに、機能状態および患者満足度等を質問票にて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・213例中、149例が非盲検用量設定期を終え、131例が二重盲検治療期を、112例が非盲検延長試験期を完了した。
・主要評価項目である二重盲検治療期における投与前および投与15分後の疼痛強度の差は、オキシコドンIR群(0.76±1.13)に比べフェンタニル群(0.88±1.20)が有意に大きかった(p<0.001)。
・二重盲検治療期を完了した患者において、フェンタニルが好ましいと回答した患者は47%、オキシコドンIRは35%であった。
・非盲検延長試験終了時(最終来院日)の機能改善ならびに満足度に関する評価は、患者および臨床医いずれも短時間作用型オピオイドに比べフェンタニルが一貫して高かった(p<0.05)。

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(ケアネット)