ホルモン受容体陽性乳がんの再発率と死亡率を減少させるには、ホルモン療法を完遂することが重要である。九州大学の武谷 憲二氏(現飯塚病院)らは、自院での術後補助ホルモン療法の完遂率と早期中止に関連する因子を検討したところ、5年間の術後補助ホルモン療法の完遂率は90%以上であり、早期中止した患者のほうが無再発生存率が低かったことが示された。Surgery Today誌オンライン版2013年10月19日号に掲載。
著者らは、術後補助ホルモン療法を受け、5年以上追跡調査された女性145例について、ホルモン療法の完遂率と早期中止に関連する因子を調べた。無再発生存率は完遂群と中止群で検討した。
主な結果は以下のとおり。
・術後補助ホルモン療法の完遂率は90.6%であった。
・5年以内に術後補助ホルモン療法を中止した主な理由は、関節痛などの副作用であった。
・早期中止と有意に関連していた因子は年齢(40歳未満)であった。
・無再発生存率は中止群で有意に低かった(p=0.025)。
これらの結果から、著者らは「術後補助ホルモン療法の完遂率を向上させるには、副作用の発生を軽減させるために支持療法を行うこと、妊娠を希望する若い女性に気を付けることが重要である」と結論している。
(ケアネット 金沢 浩子)