高齢者では痛覚の内因性抑制系が減弱しているかもしれない

提供元:ケアネット

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公開日:2013/11/20

 

 高齢者では、疼痛調節能力の変化が疼痛の発生増加の一因となる可能性がある。若年および高齢の健常成人を対象とした研究で、疼痛刺激のわずかな減少による一時的な疼痛抑制(offset analgesia)が、高齢者では低下していることが示された。米国・フロリダ大学のKelly M. Naugle氏らによる検討を報告したもので、示された結果について著者は「年齢による痛覚の内因性抑制系の減弱を反映している可能性」を指摘している。Pain誌2013年11月号(オンライン版2013年7月16日号)の掲載報告。

 研究グループは、熱痛覚のoffset analgesiaについて年齢による違いと末梢メカニズムの関与を検討する目的で、若年者25例と高齢者20例を対象に、手のひら側の前腕ならびに手のひらの無毛皮膚で、熱刺激による疼痛を調べる6試験を行った。

 熱刺激は、最初の15秒間は疼痛性刺激を、その後5秒間は最初の刺激温度よりわずかに高い温度での刺激を、最後の10秒間は最初のテスト温度の刺激を連続して加え、各刺激中の疼痛強度を視覚的アナログスケール(0~100)で測定した。

 主な結果は以下のとおり。

・手のひら側の前腕では、若年者と比較し高齢者でoffset analgesiaの減少を認めた。
・手のひらでは、すべての被験者においてoffset analgesiaはみられなかった。

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(ケアネット)