出生後1年の間に抗菌薬に曝露された小児は、0~25歳時に湿疹を有するリスクが1.4倍高く、出生前の胎児期の曝露よりも湿疹を呈する頻度が高いことが明らかにされた。英国・Guy's and St Thomas' Hospital NHS財団トラストのT. Tsakok氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。これまで先行研究の多くで、誕生後間もない時期に抗菌薬に曝露されると、湿疹を呈するリスクが高まることが示唆されていた。British Journal of Dermatology誌2013年11月号の掲載報告。
研究グループは、先行研究で示唆された、抗菌薬曝露と湿疹リスクの増大について、胎児期の曝露または生後12ヵ月間での曝露について調べることを目的に、本検討を行った。
レビューは、両期間の曝露が、0~25歳の小児期~若年成人期にもたらす影響について評価していた観察研究を対象に行った。
主な結果は以下のとおり。
・検索にて選定した20試験について、抗菌薬の出生前および出生後曝露と、湿疹発生との関連を調べた。
・出生後の抗菌薬治療と湿疹発生との関連を評価していた試験は17件あった。それらのプールオッズ比(OR)は、1.41(95%信頼区間[CI]:1.30~1.53)であった。
・追跡調査にて検討していた10試験のプールORは、1.40(95%CI:1.19~1.64)であった。それに対して、断面調査にて検討していた7件のプールORは、1.43(同:1.36~1.51)であった。
・出生後の曝露には、有意な用量反応関係が認められた。
・出生後1年の間に抗菌薬投与を受けるたびに、湿疹リスクは7%上昇することが示された(プールOR:1.07、95%CI:1.02~1.11)。
・出産前の抗菌薬曝露と湿疹発生との関連を評価していた試験は4件で、プールORは1.30(95%CI:0.86~1.95)であった。
・上記の結果を踏まえて著者は、「抗菌薬の曝露が、出生前ではなく出生後の1年間にあるほうが、湿疹を有する小児の頻度は高いと結論する」とまとめている。
(ケアネット)