これからのうつ病治療はWebベース介入で変わるのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/12/10 ドイツ・ロイファナ大学リューネブルクのJo Annika Reins氏らは、大うつ病性障害(MDD)患者が入院治療の前に、Webベースの介入を行った場合の有効性を検討するための多施設共同無作為化試験のプロトコルを作成した。有効性が実証されれば、患者はうつ症状が軽減された状態で入院治療を開始でき、寛解率の向上、入院期間の短縮、コスト節減、待機期間の短縮につながる可能性があるという。BMC Psychiatry誌2013年11月26日号の掲載報告。 MDDは一般的、かつ重篤な障害である。MDDに対し効果的な治療が存在するものの、医療システムのキャパシティー不足などにより、多くの患者が未治療の状態にある。待機期間中は、慢性化のリスクとともに、苦しみや障害が長引く。うつ病において、Webベース介入の有効性に関するエビデンスが多くの研究で示されており、問題の軽減に役立つ可能性がある。そこで研究グループは、MDDに対する入院治療を待っている患者に関して特別に開発された新しいWebベースの自助介入方法「GET.ON-Mood Enhancer-WL」の評価を目的とした試験を行うこととした。 主な試験概要は以下のとおり。 ・2群ランダム化比較試験(200例)において、通常の治療(TAU)に「GET.ON-Mood Enhancer-WL」を追加し、TAUのみの場合と比較する。 ・「GET.ON-Mood Enhancer-WL」は6つのモジュールで構成される(精神教育、行動活性化I&II、問題解決I&II、うつ病に対する入院治療後の準備)。 ・被験者は、e-コーチのサポートを受ける。なお、コーチは各モジュールを実践した後、文書でフィードバックを行うこととする。 ・MDDと診断された適格例は、構造的臨床インタビュー(structured clinical interview:SCID)を実施し、入院治療の開始までに少なくとも3週間待機する。 ・主要アウトカムは、observer-rated depressive symptom severity(HRSD24)とする。さらに、入院中の患者において、Webベース介入により寛解がより早期に得られた者が多かったかどうか、探索的質問を行う。 ・以上により「GET.ON-Mood Enhancer-WL」の有効性が実証されれば、患者はうつ症状が軽減された状態で入院治療を開始でき、寛解率の向上、入院期間の短縮、コスト節減、待機期間の短縮につながる可能性がある。 関連医療ニュース 抑うつ症状改善に“手紙による介入”は効果的か?:京都大学で試験開始 認知障害はうつ病の中核症状とみなすべきなのか 世界初!「WEB版」気分変動アンケート、その後の臨床に有益 (ケアネット) 原著論文はこちら Reins JA et al. BMC Psychiatry. 2013 Nov 26;13(1):318. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 高齢の大動脈弁狭窄症、TAVI後のダパグリフロジン併用で予後を改善/NEJM(2025/04/23) 大腸がん死亡率に対する大腸内視鏡検査と2年ごとの便潜血検査の有用性(解説:上村直実氏)(2025/04/23) 医師の子供の約6割が中学受験または予定している/医師1,000人アンケート(2025/04/23) 女性の低体重/低栄養症候群のステートメントを公開/日本肥満学会(2025/04/23) 早期発症双極症の認知機能、躁病エピソード期と寛解期の比較(2025/04/23) 肝硬変患者において肝硬変自体はCAD発症リスクの増加に寄与しない(2025/04/23) 輸液バッグからマイクロプラスチックが血流に流入か(2025/04/23) テレビを消すと糖尿病になりやすい人の心血管リスクが低下する(2025/04/23)