骨折クリニックを訪れる女性のうち約3分の1は親しい人からDVを受けた経験があると言われている。そこで、クリニックでDVスクリーニングを行うことは有用であるのか、患者調査を行った。マクマスター大学Sprague氏らによる報告。
本調査はカナダとオランダの5施設に通院した患者 750例(男性421例、女性329例)を対象とした。調査方法は匿名、自己申告制の質問票を埋める形とし、1)患者統計、2)DVに対する一般的な態度、3)骨折クリニックにおけるDVスクリーニングに対する許容度、4)いつどのように誰がスクリーニングを行うべきか、といった質問が含まれていた。
主な結果は以下のとおり。
・「医療提供者がDVについて尋ねるのに骨折クリニックはよい場所であるか?」という問いに対して、大多数の患者(554例、73.9%)が、「賛成する」または「強く賛成する」と回答した。
・「医療提供者は対面のやりとりで積極的にDVをスクリーニングすべきか」という問いに対して、大多数の患者(671例、89.5%)が賛成すると回答した。
・「女性」、「高所得」、「高等教育」といった要素は、スクリーニングに対する許容度と有意な相関があることがわかった。
(ケアネット 有田衣里)