車の排気ガスは学童の喘息発症と関連~日本人学童1万人を調査~

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/03/26

 

 交通関連の大気汚染は、学童の喘息発症と関係していることが、京都大学大学院医学研究科の山崎 新氏らにより報告された。Journal of exposure science & environmental epidemiology誌オンライン版2014年3月12日の掲載報告。

 大気汚染が喘息の増悪を引き起こしうることは広く理解されている。
 そこで、交通関連の大気汚染が学童の喘息発症と、どう関係しているのかを調べた。本コホート研究は、環境省そらプロジェクトの一環である。

 対象は小学1~3年生(6~9歳)までの学童1万69人。主要アウトカムは、質問票調査から得た喘息の発症率だった。研究終了後の4年間は、毎年フォローアップ調査を行った。交通関連の大気汚染の個別レベルの曝露量を評価するため、家と学校の両方で曝露量を計算するシュミレーションモデルを用いた。交通関連の大気汚染のサロゲート評価指標として、自動車排出ガスの窒素酸化物(NOx)と元素状炭素(EC)の年間個人平均曝露量を推定した。交絡因子は、離散時間ロジスティック回帰分析モデルで調整を行った。

 その結果、ECの曝露量と喘息の発症率に関連がみられた。喘息発症のオッズ比は、EC 濃度0.1 μg/m3 増加あたり 1.07(95% CI:1.01~1.14)、NOx濃度1 p.p.b.増加あたり、 1.01(95% CI:0.99~1.03)であった。

(ケアネット 鎌滝 真次)