一般集団およびアレルギーリスクがある集団のいずれにおいても、生誕前後にプロバイオティクスを与えることが、アトピー性皮膚炎(AD)の発症予防に役立つ可能性が、ルーマニアのキャロル・デイビラ・ユニバーシティ・オブ・メディスン・アンド・ファーマシーのM. Panduru氏らにより報告された。AD発症率は上昇しているが、ADという疾患の真の原因は明らかになっていない。プロバイオティクスは、AD予防に関与している可能性が示唆されているが、その役割については議論の的となっていた。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2014年4月4日号の掲載報告。
研究グループは、AD発症におけるプロバイオティクスの役割評価を目的としたレビューを行った。国際的なデータベース(PubMed、Scopus、Web of Knowledge、EBSCO、ARTO、Google Scholar、ClinicalTrials.gov)を用いて、同トピックについて広範囲に検索し、分析が行われていた試験だけを選択。それらの試験について、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出し評価した。
主な結果は以下のとおり。
・データベースの検索により1,513本の論文をみつけた。そのうち26本が適格条件を満たしていたが、同一集団の試験を除外し、最終的に16本の試験を分析に含んだ。
・メタ解析の結果、プロバイオティクスを与えることは、AD発症を予防することが明らかになった(OR:0.56、p=0.0001)。
・サブグループメタ解析の結果、一般集団およびアレルギー高リスク集団において、乳酸菌のみを与えること(OR:0.76、p=0.04)、および乳酸菌+ビフィズス菌を与えること(OR:0.54、p=0.001)が、ADの発症を予防することが示された。
・さらなるサブグループ解析で、プロバイオティクスの出生前投与と出生後投与が有効であることが示された(OR:0.54、p=0.001)。出生後投与だけの場合は有効性は有意ではなかった(OR:0.89、p=0.59)。
・最後に、投与タイプ別に行ったサブグループ解析で、乳酸菌のみを与えること(OR:0.75、p=0.03)、および乳酸菌+ビフィズス菌を与えること(OR:0.54、p=0.0001)のいずれもが、ADを予防することが示された。
(ケアネット)