眼瞼下垂のリスク因子について、一般にいわれている老化に加えて、「男性」「遺伝子変異」「皮膚色が薄い」「BMI高値」とさらに「現在喫煙」も含まれる可能性が明らかにされた。オランダ・エラスムス大学医療センターのLeonie C. Jacobs氏らが初となる観察研究を行い報告した。眼瞼下垂(または皮膚のたるみ)は高齢者において頻度の高い懸念事項である。これまで老化以外のリスク因子は明らかにされていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年5月28日号の掲載報告。
研究グループは、眼瞼下垂の遺伝的およびそれ以外のリスク因子を明らかにするため、上瞼下垂の症例(眼瞼がまつ毛を覆っている場合を皮膚がたるんでいると定義)をデジタル写真に基づき4つの重症度に分類し検討した。
年齢、性別、皮膚の色、日焼けの状況、女性についてはホルモン状態、また現在の喫煙状態、BMI、日焼け防止の行動について、多変量多項ロジスティック回帰モデルで分析した。遺伝的要因は、遺伝率分析とゲノムワイド関連研究を用いて検討した。
主要評価項目は、眼瞼下垂の重症度で、1(健常対照)~4(重症)で評価した。
主な結果は以下のとおり。
・本検討は、オランダ・ロッテルダムの1地区に住む高齢者が参加した「ロッテルダム研究」と、英国全土から双子が参加した「英国成人双子レジストリ(TwinsUK)」の、2つの独立した住民ベースのコホート研究からなった。
・ロッテルダム研究にはオランダ人5,578例(平均年齢67.1歳、男性44.0%)、TwinsUKには2,186組の双子(平均年齢53.1歳、男性10.4%)が参加した。
・ロッテルダム研究参加者5,578例のうち、皮膚のたるみ(中等度~重度)は17.8%で認められた。
・眼瞼下垂の有意で独立したリスク因子として、年齢、男性、皮膚の色が薄い、BMI高値が認められた。
・さらに、現在喫煙も有意な関連を示す境界線上に位置していた。
・眼瞼下垂の遺伝率は、1,052組の双子から61%と推定された(TwinsUKにおける皮膚のたるみは15.6%)。
・両参加者のゲノムワイド関連試験のメタ解析から、rs11876749の有意なCアレル劣性保護作用が示された(p=1.7×10-8)。同遺伝子変異は、皮膚の加齢と関連することで知られるTGIF1(トランスフォーミング増殖因子βの誘発因子)に近接していた。
(ケアネット)